ルーフ用太陽電池パネル

2025年12月現在、量産採用されているのは結晶シリコン太陽電池、次世代型はペロブスカイト太陽電池が期待されている

<結晶シリコン太陽電池>
トヨタの「プリウスPHEV」には、2023年、高性能太陽電池である結晶シリコン太陽電池(ヘテロ接合バックコンタクト型)が採用されている。表面に配線のないバックコンタクト構造によって、自動車用ガラスに近い意匠性と世界最高水準の変換効率26.7%に加え、曲面状の設計による自動車ボディへの装着が可能になっている。
サイズ
厚み150~200 μm

構成
反射防止膜+n型シリコン+p型シリコン+酸化膜+裏面電極

工法
プラズマCVD法(シランガス雰囲気)

<ペロブスカイト太陽電池>
光を吸収し、電子とホールができる、10μ程度の薄膜で曲面装着性の高いペロブスカイト太陽電池(可視光を強く変換)も開発されている。
ペロブスカイト化合物はヨウ化鉛(PbI2)とヨウ化メチルアンモニウム(CH3NH3I)などを混合することで生成できる。
塗布式なため、製造コストの低下が期待でき、軽量で柔軟性があり、光の吸収力が強く曇りの日や室内など光が弱い状況下でも発電する。また、やや劣る変換効率は、変換波長の異なる特性を利用して従来シリコン型パネル(可視光~紫外線)への重ね張りによって補うことが検討されている。

2025年時点の課題は「耐久性」と「大面積化」。現段階の技術では大面積にペロブスカイトの膜を均一に製造するのは難しく変換効率が下がることで、実用化が遅れている。

構成
フィルム+電極+電子輸送膜+ペロブスカイト+ホール輸送層+電極

工法
ペロブスカイト層を形成→輸送層のスピンコート〈遠心コート〉→真空蒸着装置などでAg電極の形成
<ペロブスカイト層の形成>
材料の混合→基板にPbI2溶液のスピンコート→ヨウ化メチルアンモニウム(CH3NH3I)MAI溶液への浸漬

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