溶体化処理後人工時効: 最高の強さの向上
鉄鋼材料では焼入れのマルテンサイト変態によって組織が微細化され強度が上昇するが、アルミニウム合金では鋼材のような変態がない。そのため、溶体化処理により515~550℃で加熱を行い、合金元素をアルミ中に溶け込ませ、微細な金属間化合物として析出させ硬度を上げる。アルミニウム展伸材ではA2000、A6000、A7000系、鋳物材ではAC2A、AC4B、AC4C、AC4D、ダイカスト材ではADC3、ADC12、ADC14などが熱処理型となっている。時効処理はT4の自然時効=常温時効とT6の人工時効=高温時効(焼き戻し)がある。
T6熱処理はA7000系アルミや、AC4Cなどの鋳物材、ADC12ダイカスト材などを対象とする。溶体化処理(焼き入れ)後に水冷を行なった後、人工時効(焼き戻し)を行う方法。
材料:展伸材: A7075(Al—Zn-Mg) 超高硬度材、A7000系など
鋳物材:AC2A、AC4B、AC4C、AC4D、
ダイカスト材:ADC3、ADC12、ADC14
工法:高温時効:焼き入れ(515~550℃→水冷)→焼き戻し(170℃x7.5H保持)