出力や燃費、排出ガス性能を向上させるため、弁開閉時期や弁リフト量を可変にする可変動弁系機構は、多くのエンジンが採用する一般的な技術となっている。
現在の可変動弁機構は、弁開閉時期だけでなく、弁リフト量も可変にする。
可変バルタイミングECUは、カム角センサーとクランク角センサーの出力からカム位相を算出し、エンジン回転数と負荷から求めた目標カム位相値との偏差を算出する。
偏差よりOCVの制御電流を求めて、油圧を制御する。油圧は、デューティ信号によってOCVのスプール弁の位置制御を行い、ベーンハウジングの進角室あるいは遅角室にオイルを供給する。
<可変バルブタイミングの最適化>
吸排気弁に可変バルブタイミング機構を採用する場合、一般的には以下のように運転条件に応じてタイミングを切り替えます。
・高負荷/高回転領域
出力向上のため、吸入空気の慣性を利用するために吸気弁の開閉時期を遅らせて、吸入空気量を増やします。
・高負荷/低中回転域
トルク向上のため、吸気弁の開閉時期を進めてピストン上昇による吸入空気の押し戻しを抑えて、吸入空気量を増やします。
・中負荷域/低~高回転域
燃費性能と排出ガス性能向上のため、吸気弁開閉時を進めて排気弁開閉時期は遅らせます。オーバーラップ期間を拡大することによって、残留ガス(内部EGR)量を増やしてNOxを下げ、またポンピング損失を減らして燃費を向上させます。
・アイドル運転と低負荷/低回転域
燃焼を安定化するため、オーバーラップ期間を短くして残留ガス量を減らします。エンジンの回転数と負荷によって吸排気バルブの開閉タイミングを決める
サイズ:50㎜
構成:電子基板、筐体、コネクター