EV、HV、PHV、FCVは制御が異なるため、それぞれEV-ECU、HV-ECU、PHV-ECU、FCV-ECUが使用される。
<種類>
EV-ECU
HV-ECU
PHV-ECU
FCV-ECU
◆EV-ECU
EVの走行制御ECU。運転者が要求する加速力をインバーターECUなどに指令する。
また、減速時や下り坂走行時の駆動用のモーターからの回生電流に対してバッテリーマネージメントシステムへの指令も行う。さらに、走行中に常に変化する車両の状態を判断し、モーター、インバータ、電池、エアコンなどの相互に影響しあう各コンポーネントを、CAN通信によって全体を制御する。EVではバッテリーが弱点なため、過酷な走行によるモータへの過電流を防止したりするなど車両の負担を軽減し、車両の安全性と高寿命化を確保する。他にもモータ、バッテリー等の異常検知や、バッテリの過充電の防止など、車両の安全性を確保する。VCUには自己診断機能があり、エンジンECUの故障診断のように、車両全体の故障を管理・蓄積できる。
サイズ:200㎜~300㎜
システム構成:ビークルコントロールユニット(VCU)、インバーターECU、
バッテリーマネージメントシステム(BMS)
構成:電子基板、筐体、コネクター
■小分類HV-ECU
ハイブリッドシステムの走行制御ECU。
運転者の要求、車両の状態、主電池の充電状態に基づき、電子制御スロットルの開度を制御するエンジンECUに指令する。エンジンとモータという2つの動力源の強みを活かした、高効率(省燃費)かつハイパワーな走行を制御する。モータは低速域で、エンジンは高速域など、その時々で最適な配分制御を行う。
エンジンブレーキ時には、モータを発電機として動作させ、運動エネルギーを電力に変換して主電池に蓄える。ブレーキ力が不足する場合は、摩擦ブレーキを制御する。
また、バッテリーの状況を常にモニタリングし、残量が減っている時にはバッテリーの充電用に割くなどハイブリッドシステムの運用を司る。また、過充電や過放電を常時把握し、主電池の性能劣化を抑えて長期間の信頼性を確保している。
HVでは、EVで必要となる充電器は搭載していない。
サイズ:200㎜~300㎜
構成:電子基板、筐体、コネクター
■小分類 PHV-ECU
PHVでは従来のHV-ECUに、プラグインの機能部分を追加する。HV-ECUのメイン・サブCPU
とプラグインCPUが、同一基板上で構成されている。HVではプッシュスタートスイッチ操
作にてシステム電源を投入するが、PHVではユーザの充電ケーブル挿入操作時にもシステム
電源を投入する。
サイズ:200㎜~300㎜
構成:電子基板、筐体、コネクター
■小分類 FCV-ECU
燃料電池制御コンピュータ(FCV-ECU)
燃料電池、電気モータや高電圧電池の充電と放電など、車両全体を制御する。
FCVやADASなど、新設のECUでは、ソフトウェアが原因のリコールやサービスキャンペーンが多い。
多くは、設計想定条件不足や判定基準不良が原因だが、社内外で問題になる都度に対策が
行われ、完成度が高まっている。
サイズ:200㎜~300㎜
構成:電子基板、筐体、コネクター