リチウムイオン電池は、セルの形状によって円筒型、角型、パウチ型(ラミネート型)に分類される。容量を高めるためには電極面積を大きくする必要があり、その製法として巻回工法と積層工法がある。巻回工法は、円筒型、角型、パウチ型に対応できる。活物質を両面に塗布した正極シートおよび負極シートと、それらを隔てるセパレーターを重ねながら自動巻回機で巻き取ることで製造する。
積層工法はパウチ型に採用されている製法で、所定の大きさに切断した正極シートとセパレーターと負極シートを順次積層していく工法。
■円筒形または角形電池セルケース
金属缶に入れ電解質を充填して封止する。
端子に集電するために用いられる金属部品。
サイズ例:全長172x奥行46×高さ101㎜(板厚0.8㎜など)
構成:正極:外装缶、封口体(封口板、ガス排出弁)、ガスケット
負極:負極端子、集電体、絶縁スペーサー
電解液
材質:ケース:フェライト系ステンレスSUS430
工法:
組み立て:ケース→電池挿入・ケース溝入れ→絶縁板挿入→ガスケット挿入→封口体溶接→電解液注入→カシメ封止
ケース:順送プレス加工(深絞り)
■パウチ型電池
パウチ型電池は、金属缶ではなく、プラスチックフィルムをラミネートした金属ホイルで封止する。金属缶とくらべて薄型化と軽量化ができて形状自由性にも優れる。
電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池では、パウチ型電池が採用されることが多い。電池の内容物を保護するには、外装材は強靱、かつ腐食しないようフィルムにコーティングを行い、電池の内容物が漏れないように密封性の高いラミネート加工が施されている。
サイズ例:
セル:長さ261×幅216×厚7.91mm 重さ:914g(電圧:3.65V容量:56.3Ah)
電池:電圧350V、容量62kWh、288セル
構成:ラミネートフィルム、積層電極(積層式エレメント)、タブ、正極、セパレーター、負極
材質:4層ラミネートフィルム(PETフィルム/延伸PA(ONY)フィルム/アルミ箔/PPフィルム)
工法:フィルム外周接着材塗布→電池挿入→注液→外周圧着封止→トリミング成形