冷間鍛造部品とは

常温で成形する塑性加工法。平板用プレス機よりも堅牢な鍛造用プレス機を使用する。ボルトなど簡単な形状の小物部品に適用される。寸法精度が高く、場合によっては後工程の機械加工を省略できる。

サイズ:10㎜~100㎜

材質:炭素鋼、合金鋼、ステンレス合金、アルミニウム合金、銅合金など

工法:プレス鍛造

棒材→切断→焼きなまし→潤滑→鍛造→トリミング(バリ切断)→熱処理

■各種専用機

ヘッダー加工機、パーツフォーマー、ねじ転造機、ローレット加工機、スウェージング加工機、スピニング加工機

■ヘッダー加工

冷間鍛造(常温)。ヘッダー加工は、「頭を打つ」という意味で、リベットやボルトの頭を形成する。線材に圧力を加え、六角頭など体積分のコイル材を突き出し成形する。

叩くことで結晶を微細化し強度を高める。鋳造のような脆さがなく強度と靭性がある。

材料:コイル材、丸棒バー材

材質:鋼材、ステンレス鋼、アルミ、銅など

工法:棒材→切断→潤滑→ダイスセット→鍛造パンチ(1段~2段)→ピン突き出し→熱処理

■パーツフォーマー(横型多段式鍛造機)

冷間鍛造(常温)。

供給された線材などの素材を一定の寸法に切断して、通常、最大で4工程の鍛造型で少しづつ成形する。材料の無駄が少なく、サイクルタイムが早い。

パーツフォーマーは、表面の仕上がりが綺麗で寸法精度が高く、機械加工を省くことができ、ネットシェイプ加工でコスト低減になる。

φ2㎜~φ55㎜が適用サイズとなる。

多段フォーマーは6段~9段の鍛造型を有するものを指す。

材料:コイル材、丸棒バー材

材質:鋼材、ステンレス鋼、アルミ、銅など

設備:35トン(~φ8㎜)、450トン(~φ33㎜)、1000トン(~φ55㎜)

工法:棒材→切断→潤滑→鍛造型(数型)→製品取り出し→熱処理

■ねじ転造

冷間回転鍛造(常温)

対向して駆動する円筒状のロールダイスに材料を挟んで、潤滑油をかけながら、材料を従動回転させて冷間塑性変形によりねじ山を盛り上げて成形する。金属の繊維を切断しないため、切削よりも強度が高い。

材料:丸棒バー材、パイプ材

材質:鋼材、ステンレス鋼、アルミ、銅など

工法:棒材→切断→材料セット→潤滑油→ダイス駆動→ダイス回転加圧→材料回転→製品取り出し→熱処理

■ローレット加工

冷間回転鍛造(常温)

ローレット加工は金属に施す細かい凹凸状の加工。

材料を駆動回転させ、従動回転可能なダイスを加圧し成形する。

施したい凹凸と同じ模様の工具をワークに押し付け、工具の形状を転写する。

綾目模様の場合はダイスは2個使用する。

材料:丸棒材、パイプ材

材質:鋼材、ステンレス鋼、アルミ、銅など

工法:棒材→切断→材料回転駆動→ダイス加圧→ダイス従動回転→製品取り出し→熱処理

■スウェージング加工

冷間回転鍛造(常温)。

ダイスと呼ばれる分割された工具を回転させ、丸棒やパイプ材を叩きながら外径を絞ってゆく加工。金属を削らずに叩き伸ばすので、材料が少量ですむため材料費を削減することができる。

材料:丸棒材、パイプ材

材質:鋼材、ステンレス鋼、アルミ、銅など

工法:棒材→切断→材料送り→ダイス回転叩き→製品取り出し→熱処理

■スピニング加工(へら絞り加工)

冷間回転鍛造(常温)。

板状や管状の金属材料を駆動回転させ、型の形状に沿って、へらと呼ばれる押し棒で加圧し局部的な塑性変形を徐々に繰返し与えて全体の製品形状を創成していく加工法。試作など少量生産用。

材料:板状や管状の金属材料

材質:鋼板、アルミ、銅など

工法:棒材→切断→材料回転駆動→へら加圧→製品取り出し→熱処理

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