メッキとは

メッキの目的は装飾、防錆、摩耗性向上。

自動車で使用されるメッキは三価亜鉛メッキ、硬質クロームメッキ、化学ニッケルメッキ、アルミのアルマイト、プラスチックへの装飾クロムメッキ、など。自動車部品には塩害に強い三価亜鉛メッキが多用されている。ただし焼き入れ部品では水素脆性が懸念されるのでベーキングを行う必要がある。できればボルト関係には電気メッキは避け、化成処理としたほうがよい。

プラスチックへの装飾クロムメッキは、エッジング、化学ニッケルメッキ、硫酸銅メッキ、電気ニッケルメッキ、クロメート酸処理、電気クロムメッキを順次実施して仕上げる。

サイズ

10㎜~1000㎜

構成

□自動車用メッキの種類

三価亜鉛 硬質クローム 化学ニッケル 装飾クローム
電解メッキ 電解メッキ 無電解メッキ 複合メッキ
相手材 優:鉄 良:銅   優:鉄、銅 良:ニッケル 可:SUS 金属、 プラスチック ABS,PC,ABS+PC, PP,POM,PAなど
相手材 不可:アルミ、ニッケル、SUS、Mg 不可:アルミ、Mg
硬度 (Hv) 100 750~1200 550 硬質1000
膜厚 (μm) 5または8 5~数100 2~5 硬質10~15 Cr:0.3 下地5~15
長所 耐食性 高硬度 厚膜 装飾クローム下地、 高硬度 密着性
短所 クロム公害

三価亜鉛メッキ

自動車部品には塩害に強い三価亜鉛メッキが多用されている。過去には六価亜鉛メッキが使用されていたが、環境対応で使用禁止になっている。

亜鉛メッキは酸化しやすいため、防錆効果と外観向上を目的に、後処理としてクロメート酸の化成処理が行われる。

さらに焼入れ部品などでは電気メッキ時の水素脆性除去として3時間以内に200℃x3時間以上のベーキング処理を行う。しかし、ボルト関係にはリスクを避けるためできれば電気メッキは避け、化成処理としたほうがよい。

材質(ワーク)

鋼材

工法

湯洗→脱脂→酸洗→電解洗浄→メッキ→湯洗→乾燥

硬質クロームメッキ

自動車部品には摩耗に強い硬質クロームメッキが多用されている。Hv750~1200と非常に硬くなる。焼入れ部品などでは電気メッキ時の水素脆性除去として3時間以内に200℃x3時間以上のベーキング処理を行う。しかし、ボルト関係にはリスクを避けるためできれば電気メッキは避け、化成処理としたほうがよい。

材質(ワーク)

鋼材

工法

湯洗→脱脂→酸洗→電解洗浄→メッキ→湯洗→乾燥

化学ニッケルメッキ

無電解ニッケルメッキとも呼ばれる。電気を使わず化学的な反応を用いたメッキ法。電解クロームメッキは廃液処理が潜在的な環境問題として懸案となっている。自動車部品では硬質クロームメッキの代替えとして、化学ニッケルメッキが使用される事例が多い。化学ニッケルメッキはメッキ後は硬度Hv550だが、熱処理による硬質化も可能で、硬質クロームメッキ並みの超硬度Hv1000も可能となる。

そのほか、軟鉄との密着性の良さも特徴で、ディスクブレーキピストンでの使用事例では液漏れにつながるメッキ剥離の発生を防止できる。

<適用部品>

ディスクブレーキピストン(耐摩耗性)、ピストン(耐摩耗性)、シャフト(耐摩耗性)、キャブレター部品(耐食性)、歯車(耐摩耗性、摺動性)

材質(ワーク):

鋼材

工法:

湯洗→脱脂→水洗→酸洗→高圧洗浄→メッキ処理槽→高圧洗浄→水洗→湯洗→乾燥→防錆

■プラスチック装飾クロムメッキ

プラスチックへの装飾クロムメッキは、エッジング、化学ニッケルメッキ、硫酸銅メッキ、電解ニッケルメッキ、クロメート酸処理、電解クロムメッキを順次実施して仕上げる。

材質

プラスチック

工法

脱脂→エッジング→触媒溶液浸漬触媒付与→パラジウムイオン活性化→化学ニッケルメッキ→硫酸銅メッキ→電気ニッケルメッキ→クロメート酸処理→電気クロムメッキ

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