重力鋳造部品とは

紀元前から行われている鋳造法で、砂で製作した型に溶融金属を流し込み成型する。長所は鋳造中の圧力が低く、砂中子が使用できるため、中空など複雑な形状に対応できる。

構成

ねずみ鋳鉄FC、ダクタイル鋳鉄FCD、鋳鋼(炭素鋼、合金鋼)が用途に応じて製造できる。

◇ねずみ鋳鉄FC

組織中の黒鉛の形は、片状で、摺動性と減衰性に優れる。反面、強度が弱く靭性に乏しいため、耐久強度に劣る。

◇ダクタイル鋳鉄FCD

自動車部品等で多用される強度アップ材。組織中の黒鉛の形を、球状にして強度、靭性を改良した鋳鉄。反面、摺動性と減衰性が低下する。

鋳造する直前に溶湯に球状化剤(Si-Mg-Ca-希土類金属)を加えて製造する。

◇鋳鋼

鋼の性質をもち溶接ができる。工程ではランナーから切り離すためにはガス溶断する。鉄道の台車で使用される鋳物は、破壊モードが折損のねずみ鋳鉄FCやダクタイル鋳鉄FCDは使用禁止で、変形しても割れない鋳鋼が使用される。

サイズ

50㎜~1000㎜

材質

ねずみ鋳鉄FC 、ダクタイル鋳鉄FCD、鋳鋼(炭素鋼、合金鋼)他

工法

砂型造型(上型&下型)→型合わせ→注湯→凝固冷却→型ばらし→仕上げ→熱処理→ショットブラスト→検査

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型制作

最初に製品と同形状の雄型を制作し、生産用には、雄型から転写して雌型(生砂型)を制作する。形状により砂中子(置き型)も制作する。

◇雄型(木型、金型)

最初に製品と同形状の雄型を制作する。試作時は木型、量産時は金型が多い。

雄型は湯口やランナーが接続された型になるがこれを法案と呼ばれる。鋳巣などの発生をさけるように湯流れを考慮して制作され、経験とノウハウが必要な重要工程となる。

◇雌型(生砂型)・・・生産ラインで使用する。砂で製作した型に溶融金属を流し込み成型する鋳造法。長所は鋳造中の圧力が低く、砂中子が使用できるため、中空など複雑な形状に対応できる。

◇砂中子型

生産ラインで使用する。 中子は重力鋳造などで空洞を作るための砂型。鋳物製品は注湯冷却後加振により内部にある中子を崩壊させて制作する。

中子は大量に必要で、シェルモールド法で制作されることが多い。鋳物メーカーから外注され、中子専門メーカーで制作することもある。

<中子制作>

材質:砂(RCS:レジンコーテッドサンド)

工法:

成形機→金型セット→金型加熱→材料(砂)吹込み→成型→焼成→型割→取出し→バリ取り→塗型→乾燥

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