パーキングブレーキの一方式。独立したブレーキ装置ではなく、後輪ブレーキに電動パーキング機能が付加されている。パーキングブレーキの操作力源が人力から電動モーターに変わっている。運転席のブレーキはスイッチ化しており力は必要ない。
◇便利機能例
1, オートマをPレンジに入れると自動でパーキングブレーキをかける
2, オートマをDレンジに入れ、アクセルを踏んで走り出すと自動でリリースする。
3, 全車速クルーズコントロール時に渋滞で停車した際などは、EPBブレーキを利用した停止保持
4, 故障によりフットブレーキが利かなくなった際のバックアップとして、EPBスイッチを長押しなどの操作をすることで、走行中にEPBブレーキを作動させることが可能。
◇デメリット
1,サイドターンができないなど競技用途には向かない。
2,修理費用が高価になる。本来シンプルな機構だったが、複雑な電子制御を加えたため、路上で故障すると解除が難しい。
■パーキングシステム
当初はパーキングケーブルを電動モーターで巻き上げる方式だったが、ブレーキ本体にモーターを装着する電動パーキングブレーキ(EPB)も増えている。電動パーキングの場合、「坂道でのずり落ち」は製造者責任となるため、停車毎に、強力なパーキングブレーキをかける傾向にある。
EPBを採用することで、パーキングブレーキのスイッチ化、車内空間の拡大、自動パーキングONOFF機能、など利便性が増す。また、先進運転支援システム(ADAS)の機能拡張面では、全車速追従クルーズコントロール(ACC)や自動駐車では、ブレーキは一定時間の停車制動を伴う。この際、ABS/ESCの作動によるブレーキ対応ではABS/ESCのモーター焼けの懸念があり、EPBが必須装置になる。
◇協調システム
自動緊急ブレーキ
ADAS全車速対応オートクルーズ(ACC)
自動運転
■EPB構造
ディスク式とドラム式がある。油圧ブレーキシステムのP付ディスクブレーキの機械式パーキング機構に替えて、モーターを搭載したMOC(Motor On Cariper)が多く普及している。
ブレーキドラムに電動パーキングブレーキ(EPB)を一体化した新製品も実用化されていが、EPBドラムブレーキの新規製作には多額の金型費がかかることなどもあり、金型費が安価なディスクブレーキが採用されやすい環境にある。
EPB式:3方式 ケーブル巻き上げ方式、モーター付きディスクブレーキ(MOC)、モーター付きドラムブレーキのいずれか
今後、EPBが標準採用されると、パーキング方式はドラムブレーキは衰退し、EPB付きディスクブレーキが主流となると予想されている。