緊急時操舵支援(AES:Automatic Emergency Steering)
自動緊急ブレーキ(AEB)だけでは回避し切れない前方衝突に対して、ステアリングの操作を協調させ、衝突の回避を行うシステム。一般道でも作動する。
必要なセンサーは、自動緊急ブレーキ(AEB)の前方レーダーに加えて、後方斜めおよび前方斜めのレーダーとADASカメラが必要になる。自動ステアリングは電動パワーステアリングが必要であるが、必ずしもステアリングバイワイヤーである必要はない。
作動条件は、歩行者、自転車運転者、自動二輪車、車両と衝突する可能性が高く、自車線内に回避するための十分なスペースがある場合で、ドライバーによる操舵がなくてもシステムが弱いブレーキをかけながら車線内での衝突回避を支援する。
しかし、回避するための十分なスペースがない、また、回避先に物があるとシステムが判断した場合には作動しない。また、横断歩行者など一定以上の速度を持った対象には作動しない場合があり改良の余地がある。
一方、AESは死傷者数の削減に有効のため、普及が進むと考えられている。それは、衝突回避操作では、ブレーキとステアリングの操作を同時にこなす必要があるが、パニックブレーキは、ブレーキを目いっぱい強くかける一方、パニックステアリングは車両の動きが不安定にならない程度にステアリングを操舵して衝突を回避する必要がある。この相反する操作はパニック状態の運転者にとっては難しく、ステアリングは自動操作が望ましいとされている。
構成:アクチュエーター、センサー、ADAS ECU
<アクチュエーター>
電動ブレーキシステム(電動補助ブレーキ(ESC、ABS)または、電動主ブレーキ)
電動パワーステアリング
<センサー>
前方レーダー
後方斜めレーダー
前方斜めレーダー
前方ADASカメラ