ドライバー異常時対応システム

■ドライバー異常時対応システム(EDSS: Emergency Driving Stop System)

ドライバーの無操作状態が継続している場合に異常衝突の回避を行うシステム。

ドライバーの異常に起因する事故が年間200~300件発生している。そのため、国土交通省では、ドライバーが安全に運転できない状態に陥った場合に異常を検知し車両を自動的に停止させる「ドライバー異常時対応システム」の開発・実用化・普及を促進している。大型バスなどでニーズが高いため、大型車メーカーでの開発が先行している。

運転手の重篤な異常検知は、ドライバーモニタリング技術を使用する。ドライバーの姿勢崩れ、閉眼状態、ハンドル操作の有無等を監視する。
居眠りなどは、センサは運転手に向けた赤外線カメラを使用して表情から、AIが判定する。赤外線カメラを使っているのは、暗いときやサングラスをかけている時でも対応できるようにしている。
システムは自動緊急ブレーキ(AEB)に自動ステアリングを協調させる。自動ステアリングには電動パワーステアリングが必要で、かならずしもステアリングバイワイヤーである必要はない。

2018年7月に発売されたEDSS搭載の大型観光バスでは、マニュアルの停止方式で、運転手や乗客が非常停止ボタンを押すことにより車両を減速して停止させる。

システム側で、ドライバーが運転操作の継続が困難と判断した場合、車内では非常ブザーが鳴るとともに、スイッチに内蔵されたランプが点灯、赤色フラッシャーが点滅して、緊急停止することを乗客に伝達する。また、周囲に対しては、ホーンを鳴らし、ストップランプとハザードランプを点滅させ異常を知らせる。

最終的には路肩等退避方式で、車線を維持しながら徐々に減速し、可能な場合、車線変更しつつ、交差点などの停止回避場所を避け、路肩等に寄せる安全な停止技術の確立を目指している。

<システム構成>
・制御ECU::ドライバー異常時対応システム(EDSS)ECU
・センサ端末:車室内近赤外線カメラ、操舵角センサ、(生体センサ)
・センサECU:ドライバー状態モニターECU、乗員検知ECU
・アクチュエーター:警報機、自動緊急ブレーキ(AEB)、自動ステアリング

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