無線データ送受信技術。無線通信によりネットワーク経由で、車に搭載されている電子制御ユニットのソフトウェアを更新する技術。
従来の車両では、ハードウェアとソフトウェアが密接に結びついており、機能の変更や追加には物理的な改造が必要で、車載ソフトウェアの更新はディーラーや修理工場などで有線による更新方法が主流だったが、すでに、一部で無線通信OTA(Over The Air)による無線更新が始まっている。
ソフトウェアの更新データは、ディーラーや修理工場に持ち込まず、OTA(無線データ送受信)センターと呼ばれるデータセンターから自動車に配信される。更新データは、自動車の通信機器とゲートウェイを通って、自動車を制御する電子制御ユニットECUに送られ、ECUでソフトウェアを更新できる。
デメリットは、ソフトウェアの更新に失敗すると走行不能になることや、遠く離れた場所からでも、ある特定の車両にアクセスできてしまうため、サイバー攻撃を受ける危険性が高まることがある。
こういったことを鑑み、今後のECU開発では、ソフトウェアとハードウェアを完全に分離する動きがある、また、ブレーキなどの重要保安部品のソフトウェアの更新まで無線通信OTA(Over The Air)でやられたのでは、リコール制度も成立しなくなる。そのため、将来的にはECU全体ではなく、ナビゲーションのような特定の機能だけ「機能更新」を無線で行う方向性が検討されている。
<OTA技術によって実現できる機能>
• 無線通信の管理
無線通信システムの運用や維持、性能の最適化(OTA通信の接続状態は正常か、接続履歴の確認、通信の品質(速度、遅延、エラー率など、通信のセキュリティを監視)
• 車両情報の管理
VIN番号(Vehicle Identification Number)、車載ソフトウェアのバージョン、ハードウェアのバージョン:バージョンを確認
• 車載ソフトウェアの更新
ソフトウェアを車両に直接送信し、最新の機能を提供したり、不具合を修正したりできる。
• 車両からのリアルタイムデータの収集
車両状態の継続的監視によって、故障の兆候を早期に発見できる。
(走行状態、車両内外の環境、位置情報、運行履歴)
• 車両アクチュエーターへの指示
車両のECUを介して、遠隔で車載アクチュエーターへ指示を出すことができる。
(ブレーキシステム、ステアリングシステム、エンジンのバルブ制御設定、ドアや窓の開閉など)
• セキュリティ対策
各領域で最新のセキュリティ機能への更新を行い、システム全体を常時監視する
サイズ 200x200x30㎜
構成:ECU:電子基板、筐体、コネクター