先進運転支援システム(ADAS)とは
人間が運転することを前提とした、安全運転のための自動制御システム。
ADASの狙いは事故を回避するシステムを増やしてゆき、すべての事故をゼロにすること。そのため、先進国では事故の原因分析を精密に行っている。明らかになった原因に対して、いろいろなADASの機能を順次投入し事故対策を行っている。
運転支援と自動運転との違いは、人間の関与の違いで、運転支援システムは人間が運転することを想定している。車両に標準装備されることもあるが、オプションで選択することもある。代表的なものは自動緊急ブレーキで、「画像認識カメラ」「ミリ波レーダー」の2つのセンサーの組み合わせにより認識を行い、自動ブレーキを作動させ、衝突を回避あるいは衝突の被害を軽減する。
また、近年の高齢者によるペダル踏み間違い事故の多発を受け、2017年より、国と自動車メーカーが「安全運転サポート車」(通称サポカー)の普及に取り組んでいる。
■補助金支給のサポカーのADAS仕様
1衝突被害軽減/回避システム:自動緊急ブレーキ(AEB:Advanced Emergency Braking)
2ペダル踏みちがい時加速抑制防止装置
3車線逸脱警報システム (LDW:Lane Departure Warning)
4視界/視覚補助システム:先進ライト(AHB:Automatic High Beam)
今後の自動運転化の取り組みでは、センサーによる認識のスピードはすでに人間に勝るが、予知ができないのが弱点で、今後はAIによる走行経験の蓄積と詳細な3Dマップの作成、外部からの指令システムなどの整備が必要となる。
■センサーと先進運転支援システム(ADAS)
センサー | 先進運転支援システム | 制御対象 |
なし | クルーズコントロール | エンジン、リターダー |
超音波ソナー | 後退時近接警報(CTA) | ― |
ミリ波レーダー
(前方) |
前方衝突回避警報(FCW) | ― |
ヘッドライト配光制御システム | ライト | |
前走車追従型クルーズコントロール | エンジン、リターダー | |
ミリ波レーダー
(後方、側方) |
後方死角警報(BSW) | ― |
画像認識カメラ | 標識認識システム(TSR) | ― |
ミリ波レーダー
+画像認識カメラ |
自動緊急ブレーキ(AEB) | ブレーキ |
近赤外線カメラ | 暗視スコープ(ナイトビジョン) | ― |
画像はデンソーセンシングシステム。
構成
衝突被害軽減/回避システム、車間距離制御システム、車線逸脱防止支援システム、視界/視覚補助システム、駐車支援システム