パワーステアリング
油圧式、油圧電動複合式、電動式、の3タイプがあり、それぞれの方式に基づいた動力をもとに操舵を補助する機構。
操舵力の低減のため、1980年代以降からほとんどの車で油圧式パワーステアリングが装着された。小型で操作フィーリングがよいことから、乗用車から大型商用車まで広く使用された。短所は非操舵時にもポンプ作動によるエネルギー消費ロスがあることで、燃費重視の時代になりこの点が問題視された。
そのため、2000年代には電動式が一部で採用され、2010年代以降は油圧式に代わって電動式が主流になっている。長所は、直進状態でのロスがないので燃費がよいこと。プーリー駆動源のエンジンが停止してしまうハイブリッド車やエンジンのない電気自動車に対応しやすいこと。短所は中立への戻し力が弱いため操作フィーリングで油圧式に劣る。そのため、一部の車両で電動油圧式も採用されている。
しかし、本当に求められるのはパワーステアリングのない時代のハンドルがするすると勝手に戻るセルフセンタリング機能で、ハンドルを直進状態へ戻す操作がなくなり、戻し過ぎによる事故の防止など大きなメリットがある。
画像はKYB製パワーステアリング。
サイズ
500㎜~1000㎜
構成
油圧式・・・パワーステアリングポンプ、パワーステアリング用リザーバタンク、パワーシリンダー、制御バルブ
電動式・・・モーター、ステアリングギアボックス、電子制御ECU、各種センサー(ポジションセンサー、トルクセンサー、ステアリング舵角センサー、車速センサー、エンジン回転センサー)