電動パワーステアリングEPS
操舵力を低減するためにモーターを利用するステアリング方式。
長所は、直進状態でのロスがないので燃費がよいこと。プーリー駆動源のエンジンが停止してしまうハイブリッド車やエンジンのない電気自動車に対応しやすいこと。短所は中立への戻し力が弱いことなど操蛇フィーリングで油圧式に劣ること。モーターの配置により、コラムに装着するコラムアシストとラック&ピ二オンアシストに区分される。ラック&ピ二オンアシストはさらに、ピ二オンアシストとラックアシストに区分される。
コラムアシストの長所はエンジンルーム内のレイアウト性が良く安価なこと。短所はモーターを車室内に配置するため樹脂製ギアで作動ノイズを防止する必要があり、樹脂の強度上の制約からアシスト力に上限がある。
ピニオンアシスト型はコラム型よりもステアリングホイールからモーターまでの距離があり作動ノイズ面で有利となる。
ラックアシスト型はモーターがラック部分に配置されている.モーターとラックが同軸上にあり,ボールナットで回転力を軸方向の力に変換する。長所は大出力だが、短所は大型化によるレイアウト性の悪化と価格が課題である。
<EPS適用例>
コラムアシスト 軽自動車~小型車(Bセグメント)など
ピ二オンアシスト 小型車(Bセグメント)~中型車(C、Dセグメント)など
ラックアシスト 中型車(C、Dセグメント)~SUV車(Fセグメント)など
画像は日本精工製電動パワーステアリング。
(注)セグメント区分
B:全長3500mm超-3850mm以下
C:全長3850mm超-4300mm以下
D:全長4300mm超-4650mm以下
E:全長4650mm超-4900mm以下
F:全長4900mm超
方式
電動モーター式
サイズ
100㎜~150㎜
構成
モーター、ステアリングギアボックス、電子制御ECU、各種センサー(ポジションセンサー、トルクセンサー、ステアリング舵角センサー、車速センサー、エンジン回転センサー)