砥石によりワーク(工作物)を削る加工法。高速で回転する砥石でワークを少しづつ削る。砥石での研削は加工精度が高く、加工面荒さもきれいに仕上がる。
構成
センターレス研削盤、円筒研削盤、内面研削盤(ホーニング加工)、平面研削盤
□センターレス研削盤
丸物の外形ストレート研削の専用機。ワークはフリー投入でき、研削盤へワークの取り付け作業が不要で、ワークにはセンター穴を必要としないため、量産性が高い加工法。
研削砥石と調整砥石と傾斜ブレードの3つの工具に規制された空間を通過しながら外周を研削する。
ワークは案内板から挿入され、調整砥石の駆動回転と傾斜ブレードの微少な傾斜角によりフリー回転と軸方向推力が与えられる。
□円筒研削盤
円筒工作物の外周の研削を行う工作機械。
製品、砥石共に回転させる。高速で回転する砥石で、反対方向に低速駆動回転する円筒ワークの外周を研削する。横型円筒研削盤の場合、砥石は上下に動き、ワークが左右に移動する。外径研削やテーパー研削が出来る。 精度的にはセンターレス研削盤より高精度の加工が行える。両端を支持しながら加工するため、ワークの端部にはセンター加工が必要となる。
<テーブル移動型>:ワークを横方向へ移動させる方式で精度がよい。
<砥石台移動型トラバース研削>:大物ワークなど重量があり移動させるのが難しい工作物に対して 有効な方式。
<プランジ研削>:砥石巾が広く、ワークの長手方向の往復運動は与えずに 砥石に切込方向だけで研削する方式。円筒研削に対してやや精度に劣る。
<万能研削盤>:主軸のほか砥石台が旋回できる円筒研削盤。内面研削装置をもつものもあり、円筒加工、テーパー加工、端面研削、内面研削、正面研削などいろいろな加工に対応できる。
□内面研削盤
丸物の内径研削が出来る。表面粗さはRz0.4程度。普通形とプラネタリ形の二種類に分類される。
<普通形>
製品、砥石共に回転させる。高速で回転する砥石で、反対方向に駆動回転する円筒ワークの内周を研削する。横型の場合、ワークは固定位置で回転し、砥石は左右に移動して加工する。
また、端面研削を同時に行える仕様もある。端面と穴を同時に研削することで高精度の加工が行える。
<プラネタリ形>
製品が大きい場合や、バランスの取りづらい場合に用いられる方式で砥石軸に、遊星運動を与えて研削を行う方式。
□ホーニング加工
エンジンやブレーキのシリンダーなど、円筒形状の部品の内面の表面粗さや加工目を制御する研磨方法。
内面に砥石を押し付け、回転させながら往復させ、水溶性の切削油や研削油などを大量に流し込みながら加工を行う。クロスハッチと呼ばれる網状の微細な筋を形成する。
このクロスハッチは、エンジンシリンダーではピストンとシリンダーが摺動する際、潤滑油を保持することで摩擦の発生を抑制する。
□平面研削盤
<ロータリー研削>ワークをマグネットテーブルで固定し。上砥石で片面研削する
高速で回転する砥石で、ワークの平面を研削する。厚みを整えるだけでなく、精密な両面の平行度を得るために行う。片面づつ研削する「ロータリー研削」と両面同時に研削する「両頭研削」がある。
<両頭研削>ワークを上下の砥石で挟んで同時に研削する。