電気自動車ではエンジンの排熱がないため、独立したヒーターが必要で、常用ヒーターとして主に半導体式のPTCヒーターが採用される。PTCヒーターは、電流を流すと発熱し、ある温度で電流量が制限され一定の発熱量を保つ特性がある。エンジンの熱を使用する通常のヒーターに比べ、温度の上昇が早い。また、CO2を排出しない特性もある。
一方、消費電力は大きく、出力の10%程度になるため、ハイブリッド車では、外気温10℃以下、冷却水温65℃以下など、できるだけ作動しないように制御している。
また、供給電圧は100~240Vと高電圧であり、取り扱いには注意を要する。
EVの暖房機構は「PTCヒーター」「ヒートポンプエアコン」「燃料式ヒーター」の3方式
が並立し、それぞれ一長一短があり将来、どの方式が主流となるかは現在、未知数。
注)PTC(Positive Temperature Coefficient):チタン酸バリウムを主成分としたセラミック素材。
サイズ:300㎜
構成:PTCヒーター、ハウジング、高圧電線、高圧コネクター、