抵抗
抵抗は電気を流れにくくする電子部品。固有抵抗ρ(Ω・cm)に抵抗体の長さLを掛けた値を断面積Sで割ったものが抵抗値。電流制御、分圧、電流検出、トランジスタのバイアス付与の4つの役割がある。流れる電気の量を制限したり調整したりすることで電子回路を適正に動作させる。
機能別では固定抵抗器、半固定抵抗、可変抵抗の3つに大別され、
形状別では表面実装用のチップ抵抗器、挿入実装用のリード抵抗器の2つに大別される。
抵抗の材質別では炭素皮膜、金属皮膜、酸化金属皮膜、メタルグレーズ(酸化金属とガラスの混合皮膜)などとなっている。炭素皮膜は安価だが燃焼するので安全対策が必要。金属皮膜は温度係数が小さく精度が良い。酸化金属皮膜は比較的大電力を扱える利点がある。メタルグレーズはチップ固定抵抗器で使用する。
画像は北陸電気工業製チップ固定抵抗器(表面実装用)。
方式
(機能別)
固定抵抗器、半固定抵抗、可変抵抗
(形状別)
表面実装用:チップ抵抗器
挿入実装用:リード抵抗器(ラジアル型、アキシャル型)
アキシャル型:部品の両方向から各1本のピンがでている形状
ラジアル型:部品の一方向から2本のピンがでている形状
■チップ固定抵抗器
表面実装用のチップ抵抗器はテープ状のリールに加工されて、リールごとチップマウンターに投入される。
サイズ
1㎜~5㎜
構成
セラミックス基板、電極、抵抗膜、樹脂保護膜
材質
抵抗膜:メタルグレーズ(酸化金属とガラスの混合皮膜)またはNiCr系金属皮膜、
工法
セラミックス基板→スクリーン印刷(両端導体形成→乾燥焼成→抵抗体→乾燥焼成→アンダーコート→乾燥焼成)→レーザートリミング→スクリーン印刷(ミドルコート→乾燥→オーバーコート→乾燥→標印印刷→乾燥)→バーブレーク→側面電極形成→乾燥硬化→チップブレーク→二層めっき(Ni+Sn)→全数検査→テーピング
■アキシャル型リード固定抵抗器
従来型の挿入実装用のアキシャル型リード抵抗器はリード線がストレートに伸びるタイプで、色の帯により抵抗値と誤差を表現するカラーコードが使われている。帯は4本で構成されており、端部に近い帯から順に読む。固定抵抗器の色による表示は JIS C 5062 で定義される。1.2帯は数値、3帯は乗数、4帯は許容差となっている。
例えば、茶(1)・黒(0)・橙(10^3乗)・金(±5%)と並んでいる場合は、10x1000(Ω)・±5%=10KΩ±5%と読むことができる。
サイズ
5㎜~10㎜
構成
リード線(すずめっき鋼線)、端子(鉄系合金キャップ)、抵抗膜、樹脂保護膜 、カラーコード印刷
材質
抵抗膜:炭素皮膜、金属皮膜、酸化金属皮膜
工法
セラミックス基材→※抵抗膜形成→両端キャップ圧入→切条(ばらつき調整)→リード線溶着→塗装→検査→カラーコード印刷→二次加工
※抵抗膜形成工程
炭素皮膜:焼結
金属皮膜:NiCr系蒸着
酸化金属皮膜:蒸着