排気バルブ

排気バルブ

ほとんどのエンジン形式で使用される。

エンジン燃焼室において、燃焼に使用された排気を放出するために備えられた弁。耐熱800度C。材質はいろいろあるが、加熱変態点のない Ni(ニッケル) が添加されたオーステナイト系耐熱鋼SUH35 が使用されることが多い。高硬度が必要なため、含有カーボンは0.5%となっている。

排気バルブはポペット弁と呼ばれるキノコを逆さにした形の開閉バルブで、バルブスプリングによって、バルブは閉じている。

4サイクルエンジンにおいては、カムの働きにより、吸気、圧縮、燃焼時には排気バルブを閉じ気密し、排気時のみ排気バルブを開き開放する。

吸気行程 ピストン下降 吸気バルブ開 排気バルブ閉
圧縮行程 ピストン上昇 吸気バルブ閉 排気バルブ閉
燃焼行程 ピストン下降 吸気バルブ閉 排気バルブ閉
排気行程 ピストン上昇 吸気バルブ閉 排気バルブ開

実際には、排気弁については、下死点よりすこし前に排気弁を開き、上死点をすこし過ぎて閉じる。上死点前後で、排気弁と吸気弁の両方が開いている時間をオーバーラップと呼ぶ。オーバーラップ時間は残留ガス量が変化し、燃費や排出ガス特性に影響する。

画像は愛三工業製排気バルブ。

方式

DOHC、SOHC、OHV

サイズ

50mm~100mm

材質

オーステナイト系耐熱鋼SUH35(C0.5,Cr21,Mn9,Ni4,Si0.1%)など

工法

棒材→素材切断→摩擦圧接→機械加工(研摩、面取り)→鍛造(傘部)→盛り金→熱処理(焼入焼戻)→軸歪矯正→熱処理(歪取り焼鈍)→機械加工(端、軸、傘)→表面処理(軟窒化処理)→熱処理(軸端部、高周波焼き入れ)→機械加工(軸端研削→傘フェース研摩)

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