レザー・ファブリック
座り心地の他、インテリア性が重視される。性能評価は難燃性、摩耗性、縫製性、染色堅牢度。特殊加工としては制電加工、吸音遮音加工、抗菌加工などがある。シート材質は、本革レザー、人工皮革レザー、ファブリックの3種類。
用途:シート表皮材、ドアーアクセント材
サイズ
500㎜~1500㎜
構成
本革シート、PU人工皮革レザー、PVC人工皮革レザー、ファブリックシート
■本革シート
動物の革をなめし、色付けをした革をシート表皮に使用している。高級感が高く上級グレードに採用される。水濡れに強く、色褪せや本革の軟化など経年変化も楽しめる。一方、通気性が悪く多湿な日本では蒸れやすい。冬場、本革シートは冷たい。本革そのものが高価であるため価格が高価。などの短所がある。コストダウンのため、シートの背面などは本物と見分けがつかない人工皮革が使用されることが多い。海外の自動車関税が高額な国では、大衆車でも、車両が高価になるため、価格に見合った本革レザー仕様等が求められる。
材質:牛レザー
工法:なめし
■PU人工皮革レザー
オーナー使用の乗用車では本革シートの背面などに使用されポリウレタン樹脂製のPUレザーが使用される。本革との見分けがつかない精巧さが求められ基布は湿式工法で作成される。本革に比べると耐久性が劣る。
材質:PUレザー(基布、表皮層ポリウレタン樹脂)
工法:湿式工法
<基布>基付→ポリウレタン樹脂塗布→温水浸漬→乾燥→多孔質化基布巻き取り
<シート>エンボス柄ポリウレタンフィルム→ポリウレタン接着剤塗布
→基布圧着→硬化乾燥
■PVC人工皮革レザー
ビニール調の人工皮革レザーは塩化ビニル樹脂製のPVCレザーでタクシーや商用車で採用される。長所は耐久性が高く、汚れに強い。水や中性洗剤で汚れを拭く事ができる為メンテナンスが容易なこと。短所は通気性や弾力性、柔軟性は劣ることが上げられる。基布は乾式工法で作成される。
材質:PVCレザー(基布編み物、塩化ビニル樹脂)
工法:乾式工法
エンボス柄PVCフィルム→PVC接着剤塗布→織布圧着→硬化乾燥
■ファブリックシート
難燃性化学繊維でできた布地が採用されている。価格が安いため自動車室内用素材としてはもっとも多く使われている。通気性も良いので、多湿な日本では蒸れにくいという長所がある。一方で、汚れがつきやすく、ホコリを吸収しやすい、ペットの毛などがつきやすいという短所がある。
材質:ポリエステル織物
工法:
上級車用:パイル織物(モケット、ドビー、ジャガードなど)
大衆車用:丸編(ジャージなど)