ピストンリング

ピストンリング

往復運動できるようにピストンの外径はシリンダー内径よりわずかに小さい。そのため燃焼室の機密性を保つ目的でピストンの外周に装備される部品。ピストンリングは通常は3本あり、上から2本が機密性を保つガスシールでコンプレッションリング、一番下の1本は潤滑油シール。エンジンオイルを、適量だけをシリンダー壁に残して、余分なオイルは掻き下げる。

上からトップリング、セカンドリング、オイルリングと呼ばれる。トップリングのシリンダとの接触部の形状はR形状のバレルフェース型。攻撃性が弱く、初期の不具合を防止する。セカンドリングは下側が当たるテーパの付いたテーパフェース型。攻撃性が弱く、またテーパフェースは線接触でなじみが早く初期の不具合を防止し、オイルをかき取る性能が高い。一番下のオイルリングは3ピース構造などオイルを保持できる形状になっている。オイルリングは上2本に比べ抵抗が高く、燃費向上のための低摺動抵抗化が検討される。一方で潤滑油を消費する部分のため、潤滑油消費量のバランスをとる設計が要求される。

ピストンリングはかつては鋳鉄製だったが、追従性を高めるため鋼材化し、表面処理もクロムメッキや窒化だったが、さらに耐摩耗性を高めるため、高価なPVD(物理蒸着)等が増加している。

画像は日本ピストンリング製ピストンリング。

サイズ

50mm~100mm

構成

トップリング、セカンドリング、オイルリング

□トップリング

摺動面形状 バレルフェース(R形状)

材質:角型鋼線

工法:押し出し→リング成形機→表面処理(窒化処理)

□セカンドリング

摺動面形状:テーパフェース(60度エッジなど)

材質:ねずみ鋳鉄FC

工法:鋳造→機械加工→表面処理(クロームめっき)

□オイルリング

摺動面形状:3ピース(リング+ウェイブスプリング+リング)

材質:角型鋼線

工法:押し出し→リング成形機→表面処理(クロームめっき)→組立

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