熱間鍛造部品とは

1200℃前後の再結晶温度以上で行う塑性加工。熱間鍛造はローカーアームなどの小物部品から足回りなどの大型部品まで複雑形状の部品に適用される。熱間鍛造品は製品の形状に沿ったメタルフローラインが形成され、内部組織のゆがみは矯正され、新たな結晶となり粘りや靱性など機械的性質も高めることができる。

熱間鍛造はプレス鍛造とハンマー鍛造に区分される。

構成:プレス鍛造、ハンマー鍛造(型打ち鍛造、自由鍛造)

■プレス鍛造

プレス鍛造は製品の形を掘りこんだ上下1組の金型の中に熱した鋼材を投入し、フォージングプレスで静かに圧縮する加工方法。ハンマー鍛造よりも、大量生産に向いている。

構造は油圧プレス、機械プレスに大別される。

油圧プレスは高出力のため、大型部品に適しているが、動きが遅いため、冷えやすい小型部品には不向き。

機械プレスは、モーターの回転運動を、クランク等を介することでスライドの直線往復に変換し、荷重を発生させる。小物の大量生産に適している。

サイズ

200㎜~1000㎜

材質

炭素鋼、合金鋼、ステンレス合金、非鉄材(アルミ合金等)

工法

棒材→切断→加熱→フォージングプレス→トリミング(バリ抜き)→熱処理

■ハンマー鍛造

ハンマー鍛造は、エアードロップハンマーを使用し、加熱した鋼材を、金型の上におき、加速させたハンマーを衝撃的にぶつけることで鍛造を行う方法。音圧は100dBを超える大きさで、耳栓をして加工する。ハンマー鍛造は、さらに、型打ち鍛造と自由鍛造に区別される。

□型打ち鍛造

型打ち鍛造は3工程の金型を使用する。大まかな形状にする「荒地」、必要な寸法形状に型で打って仕上げる「仕上げ」、はみ出した余肉を除去して最終的な外形に型で抜き取る「バリ抜き」の工程がある。熟練鍛造工が、ハンマーでたたく回数、リズム、強弱を使い分けながら目的の形状に仕上げる。中量生産に適する。

サイズ

30㎜~500㎜

材質

炭素鋼、合金鋼、ステンレス合金

工法

棒材→切断→加熱→ハンマー(荒地→仕上げ)→トリミング(バリ抜き)→熱処理

□自由鍛造

自由鍛造は、型を使用せず、ハンマーで形を決めるため、完全な職人技となる。シンプルな形状の大型鍛造品や少量品に適する。

サイズ:200㎜~1000㎜

材質:炭素鋼、合金鋼、ステンレス合金

工法:棒材→切断→加熱→鍛造(ハンマー複数回)→熱処理

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする