センサーとは
自動車には1台当たり数十種類のセンサーが使用されている。センサー搭載増の歴史は、排ガス規制がきっかけとなっている。排気ガスは、大気汚染、オゾン層破壊、酸性雨、地球温暖化現象などを引き起こす原因となっているため、排出ガス規制が強化され、各種センサーも進化してきた。
一方、安全性、快適性、利便性追求も同時進行した。また、車両制御、車体制御、情報システム制御も進化し、さらに多くのセンサーが採用されている。センサーの要求特性としては、計測精度のほか耐熱性、耐振性、量産性、低コストが重要な要素になっている。
用途分類では温度センサー、圧力センサー、力学センサー、流量センサー、光学センサーに区分される。
構造分類では半導体の使用が多くなっている。温度センサーにはサーミスター、圧力センサーには力学的センサーである圧電素子(ピエゾ素子)、変位センサーには電磁センサーであるホール素子、光学センサーにはフォトダイオードなどが使用され、いずれも電気信号に変換され使用される。
サイズ
10㎜~100㎜
構成
■エンジン制御
□吸排気系
エンジン温度、燃焼圧、ノック、バキューム、エンジン回転数、カムポジション、クランク角、MAP(空燃比用吸気圧センサー)、エアーフロー、吸気温、吸気圧、酸素(O₂)、A/Fセンサー、排気温、EGRガス温、NOX
◆よくある故障とセンサー異常
・エンジンチェックランプ点灯・・・カムセンサー、クランク角センサーの故障
・エンスト・・・エアーフローセンサー、MAP(空燃比)センサーの故障
・触媒チェックランプ点灯・・・酸素センサー、A/Fセンサーの故障
センサー | 検出素子 | 機能 |
エンジン温度センサー | サーミスタ素子 | エンジン冷却水温度を検出。Lジェトロニック式(空気量直接計測)における始動時噴射時間の決定 |
カムセンサー | ホール素子 | 気筒判別、カムシャフト角度検出。点火時期制御のベース信号、クランク角センサーと併用 |
クランク角センサー | ホール素子 | クランク角度を検出。点火時期制御のベース信号、カムセンサーと併用 |
エンジン回転数センサー | 磁気センサー | エンジンの回転数信号を検出。エンジンの異常検知用 |
燃焼圧センサー | 圧電素子 | 気筒内の圧力検出。エンジンの異常検知用 |
エアーフローセンサー | 熱線 | 吸入空気量を直接的に検出。Lジェトロニック式(空気量直接計測式)における燃料噴射制御用 |
MAP(空燃比)センサー(バキュームセンサー) | 圧電素子 | エアーフローセンサーに換えてインマニ負圧を計測し吸入空気量を間接的に検出。Dジェトロニック式(圧力換算式)における燃料噴射制御用 |
吸気温度センサー | サーミスタ素子 | インマニ温度を検出。燃料噴射量をECUで補正 |
吸気圧センサー(バキュームセンサー) | 圧電素子 | インマニ負圧を検出。燃料の濃さをECUで調節、空燃比最適化 |
ノックセンサー | 圧電素子 | ノッキングの状態を検出。点火時期を遅らせる |
排気温センサー | サーミスタ素子 | 排気ガス温度を検出。警報用、触媒コンバータの過熱防止、火災防止 |
EGRガス温センサー | サーミスタ素子 | EGRガス温度を検出。警報用、EGRクーラーの診断、火災防止 |
酸素センサー(O₂センサー) | 二酸化ジルコニウム、高温作動ヒーター | 排気ガス中の酸素濃度を濃い薄いで検出。燃料の濃さをECUで調節、空燃比最適化。 信号失陥時 排ガス警報表示。 |
A/Fセンサー(O2センサーの一種) | 二酸化ジルコニウム、高温作動ヒーター | 排気ガス中の酸素濃度を連続で検出。燃料の濃さをECUで調節、空燃比最適化 信号失陥時 排ガス警報表示 |
NOXセンサー | 二酸化ジルコニウム、高温作動ヒーター | 排気ガス中のNOX濃度を連続で検出。警報用、検出した値をエンジンECUへ |
□操作系
アクセルペダル、スロットルポジション
□燃料系
フューエルレベル
□潤滑系
油圧、オイルレベル、オイルコンディション
□冷却系
ラジエーター水温
■車両制御系
□横滑り防止装置ABS/トラクションコントロールシステムTCS/車両ダイナミック制御ESC
ブレーキ圧力センサー、車速センサー、車輪速度センサー、加速度、ヨーレートセンサー
□ステアリング
ステアリング舵角センサー、車高センサー
■車体制御系
□エアバッグ
衝突検知 加速度センサー
□空調系
外気温、室内温、エアコン温度、エアコン水温、エアコン日射
エアコン冷媒圧、エバポレーター出口温度
□ワイパー
レインセンサー