■ショックアブソーバー類とは
サスペンションスプリングの不要な振動を抑えるための衝撃吸収部品。サスペンションスプリングは振動を吸収するが、伸び縮みが長く続き、その結果車体が揺れ続けてしまう。この振動を続けようとするスプリングの動きを吸収する役割でショックアブソーバーが併設される。乗り心地を良くするだけでなく、コーナリングでの車体のふらつきも抑える。
筒内に満たされたオイルが小さな穴（オリフィス）を通るときの流体抵抗で、減衰力を発生させる原理を用いており、構造により複筒式か単筒式が選択される。機能はどちらも、縮み側と伸び側に減衰力を発生する複動式で、窒素ガスの封入で負圧キャビテーション（気体の巻き込み）による性能低下を防いでいる。
一般に複筒式が多く使用される。複筒式ではバルブが２つで、ピストン内と内筒シリンダーボトム部にあり、機能分担している。長所は、全長が単筒式より短く、外筒が多少へこんだり、損傷しても機能に影響しない。
一方、単筒式はスポーツ車に採用されている。単筒式ではバルブはピストン内に１つで、縮み側と伸び側の両方向で機能する。長所はピストンの動きに敏感に反応すること、高周波振動に対する応答性能が良いことや、減衰特性に変化が少ないこと。短所は全長が長くなり搭載性が悪いことと、シリンダーが高精度で高価。
方式
複筒式、単筒式
■可変減衰ショックアブソーバー
減衰力を切り替えることができるショックアブソーバー。従来は運転席の操作ボタンによるオリフィス径の切り替え式であったが、車両の電子制御が急速に進み各種センサーが搭載される背景から、電磁弁を組み合わせた可変減衰ショックアブソーバーの普及が進んできた。システムとしては、セミアクティブサスペンションという名称で、受動的に時々刻々と変化する路面からの入力に対しリアルタイムで減衰力を制御することができる。長所は油圧ポンプ等の外部の動力を必要とせず、電子制御化が容易に行われること。
