ボルト・ナット

ボルト・ナット

ファスナーのうち、ボルト・ナットは一番多用される部品で、ねじを用いて2個以上の部品を締結するために用いる。回転させ締め付けると、被締結物には圧縮力、ボルトのおねじには引張力がかかる。ボルトの正しい設計方法は、ボルトをばねとして考え、軸力方向にさらに外力が加わっても弾性変形以内に収まるようにする。接線方向に力がかかる場合は、ノックピンやリーマボルトで動きを抑える。

できない場合は摩擦力が勝るように締め付けトルクを設定する。振動が多い部位では廻り止めを実施することが望ましい。

締結物とワッシャは軸力によるつぶれや振動による摩耗を防ぐことが求められる。

ボルトの製造方法は、ねじ部が破断しずらい転造ねじが望ましい。また強度区分6.8以上の熱処理した中炭素鋼や合金鋼では、電気めっき時の水素吸収によって鋼材が遅れ破壊を起こす危険が高いため、電気めっきは実施しない。どうしても電気めっきする場合は水素脆性除去のベーキングを3時間以内に実施するなどのノウハウがある。

サイズ

自動車で使用されるボルト・ナットは

メートル細目めじM6x1.0~M16x1.5

構成

強度区分

ボルト4.6 8.8 10.9

ナット4.6 6.8 9.8

強度区分10.9は1000N/㎜2の引張強さに対して90%の降伏点(伸びきり、元に戻らない限界荷重)の意味。数値の高い90%は高性能と考え違いするが、実はあまり良いことではなく、逆に靭性が少ない材料とも見るべきである。

材質

ボルトとナットの推奨の組み合わせは下記

ボルト 代表的材質 組合せナット 代表的材質
4.6 低炭素鋼S20Cなど 4.6 低炭素鋼S20Cなど
8.8 中炭素鋼S45C焼入焼戻など 6.8 中炭素鋼S45C焼入焼戻など
10.9 合金鋼SCM435焼入焼戻など 9.8 合金鋼SCM435焼入焼戻など

工法

鍛造→ねじ転造→熱処理→表面処理

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする