□4WS
前輪だけでなく後輪にも操舵性を与えたシステム。(4 Wheel Steering)。乗用車の場合、最大操舵角は±2度。
日系車では1980年代に4WSが流行した。その後ブレーキを4輪独立に制御するESC(車両ダイナミック制御装置)の普及で、4WSは、すたれたが、現在、高級車の一部で復活している。高速での走行安定性はブレーキよりもステアリングのほうが有効性が高いため、2012年にレクサスGSに採用したLDH(Lexus Dynamic Handling system)などは継続生産している。VGRS(ギア比可変ステアリング)、EPS(電動パワーステアリング)およびDRS(後輪操舵システム)を統合制御しており、4輪操舵にありがちな違和感がない。後輪操舵は電動アクチュエータでタイロッド操作を行い、最大操舵角は±2度で、80㎞/hまで逆位相でステアリングを切る。
画像はアイシン精機製アクティブリアステアリングシステム。
□本格4WS
ラフターレンクレーン車では標準採用され、市場で長年の実績がある。前輪と後輪は同じ舵角で広角に作動する。また舵角方向も全後で自在であるため、カニ走行で駐車もできる。そのため、狭い建設現場でも適正な位置に駐車ができるなど駐車性能が高い。