■リチウムイオン電池負極集電体
8~10μm厚さの銅箔。負極活物質である黒鉛微粒子を保持する役割。
負極は60μm程度の厚さで、8~10μmの銅箔の集電体の両面に黒鉛微粒子をフッ化ビニリデン樹脂で結合している。
負極集電体と呼ばれる芯材には圧延や電解工法による純銅箔が用いられる。加工硬化された場合は亀裂が生じやすいため、前処理によって金属組織を制御した純銅箔が使用されている。
近年は強度と低い電気抵抗を兼ね備えたクラッド集電箔(Cu/Ni-Nb/Cu)なども開発されている。
サイズ
厚さ8~10μm、幅45~300㎜
材質
銅箔
工法
冷間圧延
■リチウムイオン電池セルケース(パウチ含む)
リチウムイオン電池は、セルの形状によって円筒型、角型、パウチ型(ラミネート型)に分類される。容量を高めるためには電極面積を大きくする必要があり、その製法として巻回工法と積層工法がある。巻回工法は、円筒型、角型、パウチ型に対応できる。活物質を両面に塗布した正極シートおよび負極シートと、それらを隔てるセパレーターを重ねながら自動巻回機で巻き取ることで製造する。
積層工法はパウチ型に採用されている製法で、所定の大きさに切断した正極シートとセパレーターと負極シートを順次積層していく工法。
□丸形または角形電池セルケース
金属缶に入れ電解質を充填して封止する。端子に集電するために用いられる金属部品。
サイズ
角型例:全長172x奥行46×高さ101㎜(板厚0.8㎜など)
構成
正極:外装缶、封口体(封口板、ガス排出弁)、ガスケット
負極:負極端子、集電体、絶縁スペーサー
電解液
材質
ケース:フェライト系ステンレスSUS430
工法
<組立>
ケース→電池挿入・ケース溝入れ→絶縁板挿入→ガスケット挿入→封口体溶接→電解液注入→カシメ封止
<ケース>
順送プレス加工(深絞り)
□パウチ電池
パウチ電池は、金属缶ではなく、プラスチックフィルムをラミネートした金属ホイルで封止する。金属缶とくらべて薄型化と軽量化ができて形状自由性にも優れる。
電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池では、パウチ電池が採用されることが多い。
電池の内容物を保護するには、外装材は強靱、かつ腐食しないようフィルムにコーティングを行い、電池の内容物が漏れないように密封性の高いラミネート加工が施されている。
サイズ
例:セル:長さ261×幅216×厚7.91mm 重さ:914g(電圧:3.65V容量:56.3Ah)
電池:電圧350V、容量62kWh、288セル
構成
ラミネートフィルム、積層電極(積層式エレメント)、タブ、正極、セパレーター、負極
材質
4層ラミネートフィルム(PETフィルム/延伸PA(ONY)フィルム/アルミ箔/PPフィルム)
工法
フィルム外周接着材塗布→電池挿入→注液→外周圧着封止→トリミング成形