電子系コンデンサー
電荷(静電エネルギー)を蓄えたり放出したりする素子。固定コンデンサーではセラミックコンデンサーが多く使用される。可変コンデンサーはバリアブルコンデンサーと工程内調整用のトリマーコンデンサーに大別される。
コンデンサの性質は、①充電と放電が瞬時にできる、②直流は通さないが交流は通す、③交流は周波数が高いほど通しやすいという性質を持っている。
コンデンサに使う材料や構造など種類が多く特徴が異なるため用途によって使い分ける。
セラミック |
フィルム |
アルミ電解 |
タンタル |
電気二重層 |
|
極性 |
なし |
なし |
あり |
あり |
あり |
高容量 |
△ |
x |
○ |
○ |
◎ |
高電圧 |
○ |
◎ |
○ |
△ |
x |
ノイズ除去 |
◎ |
◎ |
x |
△ |
x |
長寿命 |
◎ |
◎ |
△ |
○ |
△ |
温度特性 |
△ |
◎ |
△ |
○ |
△ |
長所 |
小型大容量 |
高精度安価 |
高価 |
無限寿命 |
|
短所 |
温度変化弱 |
耐熱性 |
大型 |
発火 |
|
用途 |
制御ECU |
バックアップ電源 アイドルストップ電源 |
- セラミックコンデンサは、誘電体に高誘電率のセラミックを用いている。長所は 無極性、優れた高周波特性、高耐熱、長寿命。短所は温度特性(温度による静電容量の変化率が大きい)、温度/機械的衝撃によりクラックが発生しやすい
- フィルムコンデンサは、誘電体にプラスチックフィルムを用いている。長所は無極性優れた高周波特性(低ESR) 、優れた温度特性(温度による静電容量の変化率が小さい)、静電容量の高精度対応可能、長寿命。短所は耐熱性、温度/機械的衝撃によるクラックの問題もない
- アルミ電解コンデンサは、陽極のアルミ箔の表面に誘電体となるアルミ酸化皮膜を形成させ、電解質(陰極)に電解液(溶媒に電解質を溶かした液体)を用いる。 長所は大容量。短所は等価直列抵抗(ESR)が高い、有限寿命品
- タンタル電解コンデンサの基本構造はアルミ電解コンデンサとほぼ同一であり、陽極となるタンタル金属粉の焼結体の表面に誘電体となる五酸化タンタルを形成させ、電解質として二酸化マンガン(固体)を用いた構造。 長所は小型、周波数特性に優れ、寿命が長い(電解質が固体)
短所は故障モードがショートであり発火に至る危険性がある - 電気二重層コンデンサは、アルミ電解コンデンサと二次電池(バッテリー)の中間の容量を持つ特殊なコンデンサであり、その容量密度はアルミ電解コンデンサの約1000倍以上で、二次電池の1/10程度。長所は無限充放電サイクル
サイズ
1㎜~50㎜
構成
(形状別)
表面実装用:チップコンデンサー
挿入実装用:リードコンデンサー
(機能別)固定コンデンサー、可変コンデンサー(トリマー、バリアブル)
(極性別)
無極性:セラミックコンデンサー 、フィルムコンデンサー
有極性: アルミ電解コンデンサー、タンタルコンデンサー、電気二重層コンデンサー
工法
□チップコンデンサー
誘電体シートへの内部電極印刷→誘電体シートの積み重ね→プレス→カット工程→焼成→外部電極塗布、焼き付け→メッキ