パーキングブレーキ

パーキングブレーキ

サイドブレーキ、ハンドブレーキと呼ばれる人力の制動装置。静的性能のほか動的性能も非常ブレーキ性能が保安規準で規制されている。現在はスイッチ操作による電動式もある。
◆システム
ブレーキはペダルを踏むと四輪すべてに力がかかる。一方、パーキングブレーキは後輪のみを制動する。本来の設計では、スタック状態からの脱出を目的として、駆動軸パーキングとしていたが、駆動軸パーキングの米国州法規制の廃止により、現在は、前輪駆動車でもレイアウトが容易な後輪パーキングになっている。

◆パーキングブレーキ構造
従来式は3方式 P付きLTドラムブレーキ、P付ディスクブレーキ、ドラムインディスクブレーキのいずれか
いずれも、パーキングブレーキとして独立しているのではなく、油圧サービスブレーキに機械式制動機構が内蔵されている場合が多い。したがってファウンデーションブレーキは1つで、ケーブル式機械系統で制御される。

◇P付きLTドラムブレーキ、ドラムインディスクブレーキ
高温になったブレーキディスクは時間がたつと肉厚が減るため効きが減るが、ブレーキドラムではドラムが縮小し効きが増す。そのため、ドラムブレーキのほうが信頼性が高いと言え、パーキングブレーキにはドラムブレーキのほうが多く使用される。軽自動車の後輪はパーキングブレーキ付きのドラムブレーキ、乗用車も高級車や1.5トン以上のSUVの後輪はディスクブレーキのほかにパーキング専用のドラムブレーキも装着され、1輪に2個のブレーキが装着される。

◇P付ディスクブレーキ
4輪ディスクブレーキシステムを安価に構成するために後輪ディスクブレーキに機械式のパーキング構造を組み込んだブレーキ。
課題は、「坂道でのずり落ち」。パーキングブレーキを強く掛ける人は少なく、ブレーキディスクは時間がたつと肉厚が減るため効きが減る。

◇EPBブレーキシステム
ADAS機能強化とEV化の流れで、P付ディスクブレーキにモーターを搭載したMOC(Motor On Cariper)が普及している。
近年は利便性の向上でパーキングブレーキはスイッチ化し、指先で操作できる。当初はパーキングケーブルを電動モーターで巻き上げる方式だったが、ブレーキ本体にモーターを装着する電動パーキングブレーキ(EPB)が増えている。電動パーキングの場合、「坂道でのずり落ち」は製造者責任となるため、停車毎に、強力なパーキングブレーキをかける傾向にある。

方式

従来式:3方式 P付きLTドラムブレーキ、P付ディスクブレーキ、ドラムインディスクブレーキのいずれか
EPB式:3方式 ケーブル巻き上げ方式、モーター付きディスクブレーキ(MOC)、モーター付きドラムブレーキのいずれか

今後、EPBが標準採用されると、パーキング方式はドラムブレーキは衰退し、EPB付きディスクブレーキが主流となると予想されている。

要求

無人:20%勾配停車。

有人:非常ブレーキ性能 時速30kmから減速度0.15G

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