■砥粒研磨加工部品
鏡面仕上げを目的とする研磨方法。鏡面状態は一番悪い状態で、表面粗さの表示では平均荒さRa200nm(Ra0.2μm)、旧加工記号では▽▽▽▽4発で表示される。
構成:バレル研磨、ラップ研磨、バフ研磨
□バレル研磨
ドラム形状のバレル容器にワーク、研磨石、コンパウンド、水を入れ、回転運動や振動を与えて、ワークと研磨石が擦れ合う研磨法。研磨石の選定により、角部のバリ取りや、スケール取り、キズ取り、クラッチ面仕上げ、接着面仕上げ、外観部品仕上げなど対応できるが鏡面加工とは言えない。
<回転バレル研磨機>構造がシンプルで安価な汎用研磨機。回転数が低くて摩擦が少ないため安定した仕上がりだが時間がかかる。
<振動バレル研磨機>加工時間が短く量産向き。円形のバレル容器をモーターによって振動させ、ワークと研磨石の摩擦によって研磨される。
材質: メディアと用途
- 塊状研磨石:不定形形状の人工アルミナ。粗研磨から仕上げ研磨、光沢研磨までできる
- 成形研磨石:三角柱形など定形。研削用は酸化アルミナ、光沢研磨用はセラミック
- プラスチック:円錐形。研磨材を配合したソフトメディア。アルミ等軟質金属用。
- 金属メディア:銅球、鋼球等。金属部品の平滑仕上げ、光沢仕上げ、艶出し用
□ラップ研磨
ラップ盤と呼ばれる平面の台にワークを置き、砥粒を含んだラップ剤で、ワークに上から圧力を加えながらスライドさせて研磨する。平均荒さRa10nm(Ra0.01μm)、程度の鏡面仕上げができる。
構成:ラップ研磨機、ラップ剤
材質:
ステンレスSUS、チタン、アルミニウム合金、クロームメッキ(前後処理)、アルマイト処理(前処理)
工法:ラップ盤→ラップ剤塗布→ワーク加圧→スライド研磨作業→摩耗粉除去
□バフ研磨機
バフ(羽布)研磨は古くから用いられている物理的な研磨加工方法の1つでステンレスなどの表面の鏡面仕上げなどで使用する。鏡面にする事が目的であり、表面粗さは平均荒さRa5nm(Ra0.005μm)程度までの鏡面仕上げができる。加工方法は布・フェルト・革等を重ねて作った円板状のバフホイールを120RPM程度に回転させ、表面に研磨剤を付着させてワークに押し当て研磨する。
材質:
ステンレスSUS、チタン、アルミニウム合金、クロームメッキ(前後処理)、アルマイト処理(前処理)
工法:バフホイールに研磨剤塗布→バフホイール回転→研磨作業→摩耗粉除去