ステアリングとは

ステアリングとは

操舵装置全体のシステムのことで、方向を変える役割を担う。ステアリングホイールを回転することで、左右の車輪をつなぐタイロッドを左右に移動させ、タイヤの向きを変える。機構面では、歯車機構は部品が少なく省スペースな「ラック&ピニオン式」と呼ばれる方式が多い。また運転席からつながるステアリングシャフトと足回りのステアリングギアボックスの位置関係は直線的に配置できないため、ユニバーサルジョイントが使用される。盗難防止としてステアリングロック、運転ポジションの最適化のためのチルトステアリング、さらにパッシブセーフティー装備として、衝撃吸収ステアリングや、エアバッグが装着され、高機能化が進んでいる。

操舵力の低減のため、1980年代以降からほとんどの車で油圧式パワーステアリングが装着された。小型で操作フィーリングがよいことから、乗用車から大型商用車まで広く使用されている。短所は非操舵時にもポンプ作動によるエネルギー消費ロスがあることで、燃費重視の時代になりこの点が問題視された。

そのため、2000年代には電気モーター直動式の電動パワーステアリングが一部で採用され、2010年代以降は油圧式に代わって電動式が主流になっている。長所は、直進状態でのロスがないので燃費がよいこと。プーリー駆動源のエンジンが停止してしまうハイブリッド車やエンジンのない電気自動車に対応しやすいこと。

短所は中立への戻し力が弱いことなど操作フィーリングで油圧式に劣ること。

今後普及する自動ブレーキや自動運転では、レーンキープ走行や飛び出しに対応するためにコンピューターに連動する電動ステアリングが増えてくる。

画像はアイシン精機製パワーティルト&テレスコピックステアリングコラム。

方式

ラック&ピニオン式、ボールスクリュー式

サイズ

1000㎜~2000㎜

構成

ステアリングコラム、ステアリングシャフト、ステアリングジョイント、ステアリングギア、タイロッド

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