ニッケル水素電池

ニッケル水素電池

ニッケル水素電池は、電極、セパレーター、電解液から構成される。正極に水酸化ニッケルNi(OH)2、負極に水素吸蔵合金、セパレーターはポリオレフィン製不織布、電解液に水酸化カリウム溶液を用いたものである。

古くからの代表的なアルカリニ次電池はニッケルカドミウム電池である。1902年に発明されたもので、基本的な構成は正極に水酸化ニッケルNi(OH)2、負極にカドミウム、電解液に水酸化カリウム溶液を用いたものである。

近年になって環境適合性を考慮し、脱カドニウム公害で、負極に水素吸蔵合金を用いたものが、ニッケル水素電池である。ニッケルカドミウム電池の2倍を超える容量が達成された。

ハイブリッド車(HV) では 走行用に高電圧で中容量のバッテリーが必要になる。充電可能な二次電池を使用するが、ニッケル水素電池の使用が多い。ニッケル水素電池は電圧は低いが、安全性は比較的高い。逆充電によるショート発火の可能性はあるが、セルバランスをきちんと制御すれば問題ない。セルの電圧は1.2V程度のため、168個を直列とし200Vの電圧にするなどの事例がある。

画像はプライムアースEVエナジー製トヨタプリウス用

(上段)ニッケル水素電池パック168セル(6連セルモジュールx28個)

出力200Vx6.5Ah

(下段)ニッケル水素電池6連セルモジュール

出力7.2Vx6.5Ah、重量1040g、サイズ285x106x19.6㎜

サイズ

500㎜~1000㎜

構成&材質

□パック

バッテリーケース  ハイテン材(高張力鋼板)

セル電圧バランス回路 電子基板

冷却システム  ファンクーラー

□セル

正極材     ニッケル焼結合金(多孔質)+水酸化ニッケル

負極材     金属多孔板+水素吸蔵合金粉末ペースト(ニッケル+コバルト+アルミニウムなど+導電剤+メチルセルロース水溶液)

セパレーター  ポリオレフィン製不織布

電解液     アルカリ水溶液(KOH+NaOH+LiOH)

正極      アルミニウム缶

負極端子    ニッケルメッキ鋼板

ガスケット   フッ素樹脂(PFA)

ガス排出弁   フッ素樹脂(PFA)

工法

電極、セパレーター積層→圧縮→アルミ缶封入→単品セル組立→モジュール組立

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする