ブッシュ/シール類とは

□ブッシュ

ブッシュは軸や丸穴に勘合する円筒状の部品を指すことが多い。

自動車でブッシュというと、すべり軸受、金属製圧入ブッシュ、ゴムブッシュなどを指す。

サスペンションブッシュは振動を遮断し乗り心地を改善する。

ゴムは圧縮方向に硬く、直角方向に柔らかい特性があるため、形状により性能が変わる。ワッシャ状のものは上下に硬く、前後左右に柔らかい。ブッシュ状のものは半径方向に硬く、軸方向に柔らかい。

□シール類

シールは、エンジン、ミッション、ブレーキ、エアコンなど、液体の漏れや、ほこりの侵入などを防ぐ役割を果たす。

シール部材は運動用と固定用がある。運動用はアクチュエーター部品に多用され、トランスミッションのオイルシールなどの回転シール、ブレーキマスターシリンダーの往復シール、ブレーキブースターのダイアフラムなどに区分される。ゴム材質は対象流体と使用環境に応じて選定される。

用途 使用条件 シール部品 材質 使用部位例
固定用 高圧用 Oリング、ガスケット ゴム ヒータ配管
圧力なし プラグ、グロメット ゴム ドア
相対変位 ブーツ ゴム ドライブシャフト
ベローズ 金属 排気管
往復運動用 高圧用 ダイアフラム ゴム、金属 ブレーキ
高圧用 シール ゴム ブレーキ

パワステ

低圧用 シール ゴム ショックアブソーバ
低圧 Oリング ゴム
回転運動用 低圧用

オイル潤滑

オイルシール ゴム ミッション
メカニカルシール セラミックス ウォーターポンプ
ラビリンスシール フッ素樹脂 ミッション
防振・防音 圧力なし 防振防音インシュレーター フェルト ダッシュパネル
遮熱 圧力なし ヒートインシュレーター 金属 フロアー

□固定用圧力シール

Oーリングなどが使用されるが体積を弾性変形限度内で潰してシールで使用する。ゴムは変形するだけで体積が変わるわけでもないので、シール溝の体積はシール体積よりも大きく設計されている。

□高圧シール

圧力によって、穴と軸のすきまにゴムが入り込み破損するので、隙間はできるだけ小さくする。

□運動用シール

往復運動用や回転運動用に区分され、自動車ではOリングはあまり使用せず、専用シールを使用することが多い。

□往復運動用圧力シール

Yパッキンやカップシールと呼ばれ、断面は受圧力側にくぼみがあり、圧力がかかるとリップが開くタイプが多い。動的な摺動抵抗が低いことは当たり前で、ゴムの張り付きを防止して、長期放置しても起動抵抗が上がらないようにするのが、ゴムメーカーの勝負どころになる。Yパッキンやカップシール正圧には強いが負圧で漏れることがあるので、油圧回路内の残圧の設定など、設計には配慮が必要である。

□回転運動用シール

オイルシールと呼ばれ、ガータースプリングが装着され、多少の負圧にもオイル漏れはないようにしている。また、最近はシール面にねじ加工がほどこされ、大気側に漏れた微量なオイルを吸い戻すように設計されているものもある。

サイズ

ブッシュ:100㎜~150㎜

シール類:φ5~φ100㎜

構成

ブッシュ、インシュレーター、シール、ガスケット、Oリング、ブーツ、ベローズ、プラグ、グロメット

材質

ゴム材質

ゴム材質記号 ゴム名称 液体 使用部位例 耐熱(℃)
EPDM エチレンプロピレン クーラント ラジエーター 150
ブレーキ液 ブレーキ 150
NBR ニトリルゴム エンジンオイル オイルシール 125
ACM アクリル エンジンオイル オイルホース 180
シリコーン 雨水、雪 ワイパー 耐寒-60~225
FKM フッ素ゴム ガソリン 燃料ポンプ 250

工法

ゴム錬り→コンプレッション成形(→機械加工)

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