キャパシター
キャパシターにはいろいろな種類があるが、自動車では電気二重層キャパシター(EDLC : Electric double-layer capacitor)が使用される事例が多い。セルの電圧は2.3V程度のため必要な電圧のモジュールにして使用する。
EDLC はコンデンサーと二次電池の中間に位置する蓄電デバイス。短時間なら、瞬発力に優れた小型電池として使用できる。また、急速な充放電ができ、車両寿命を超える充放電耐久性を有するなど、電池にはない特長を持っているため、用途はいろいろ考えられている。
電気自動車(EV)や ハイブリッド車(HV)では、電気系失陥に備え、電動パーキングブレーキなどの補助電源として装備し、緊急時に電力を供給する。
燃料電池車(FCV)では消費電力が頻繁に変化するため,燃料電池だけで電力供給するのが難しい。そのため、二次電池と燃料電池とを組み合わせて使用するが、二次電池の代わりにキャパシターを採用するシステムも考案されている。
また、エンジン車の補助電源装置としては、アイドルストップや大型のSUV車の電動パワーステアリング(EPS)でキャパシターを組み合わせることも考えられている。
画像は日本ケミコン製電気二重層キャパシタ(アイドルストップ用)。
公称容量 15V-0.5Ah
2.5V-0.5Ahx6本直列セル
補機バッテリー12V-50Ahと比べると約1/100の容量だが、数分は使用可能
サイズ
300㎜~500㎜
構成&材質
□セル
電極 アルミ箔+活性炭
セパレーター 紙(絶縁材料)
電解液 プロピレンポリカーボネート(PC)
セルケース アルミ合金
ガスケット シリコーンゴムなど
安全弁 シリコーンゴムなど
□モジュール
モジュール枠 ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)など
セル電圧バランス回路 電子基板
工法
巻上げ(電極、セパレーター)→セル封入→単品セル組立→モジュール組立