半導体とは
ダイオード、トランジスタ、FET、IC など電子回路を構成する電子パーツの素材。
半導体は、本来は電気が流れない純粋なシリコンやゲルマニウムなどの絶縁体に、電子を余計にもったリンなどの不純物を加えて導体のように変化する性質に変えたもの。
リンのように電子を余計にもった不純物が含まれるものをN(negative)型半導体。逆に電子の少ないホウ素などの不純物が入ったものをP(positive)型半導体と呼ぶ。
P型半導体では、負に帯電し、電子が足りない穴(正孔)が電子の代わりの働きをし、電子が動き回るようになる。ダイオードやトランジスターで使用する。
「ダイオード」は、2端子で構成されたもので、PN型接合とよばれ、電界の向きによって電気が流れたり流れなかったりする「整流作用」を利用する。
「トランジスタ(Transistor)」は3端子で構成されたもので、バイポーラトランジスタとFET電解効果トランジスタ(Field Effect Transistor)の2種類がある。アナログ回路では増幅、デジタル回路ではスイッチとして使用することが多い。
バイポーラトランジスタではベース(入力端子)、コレクタ(出力端子)、エミッタ(接地端子)。ベースの入力電流を変えて使う。100~700倍の直流電流増幅率でコレクタ電流を得ることができる。半導体の構成によってPNP型とNPN型とがある。
FETトランジスタではMOS型と呼ばれるものが多く、ゲート(入力端子)、ドレイン(出力端子)、ソース(接地端子)と呼ばれる。ゲートの入力電圧を変えて使う。バイポーラトランジスタに比べて応答時間が速い。そのため、ICのクロック信号などの微細時間電圧にも反応するようになるため、バイポーラトランジスタからの置き換えの回路設計では注意を要する。
ICは「半導体チップ」の表面にダイオードやトランジスタ、コンデンサ、抵抗など多数の素子が印刷されている電子回路部品。2個以上の素子が集積されたものをICと呼び、1000個以上の素子を集積化した集積回路をLSI、10万個以上の素子を集積した集積回路をVLSI と呼ぶ。
注)MOS:金属酸化膜半導体(Metal Oxide Semiconductor)
画像はデンソー製SiCパワー素子(MOSFET)
サイズ
3㎜~40㎜
構成
ダイオード、トランジスター、FET、 IC
材質
シリコーンウエハー、リード線、樹脂モールド(熱硬化性エポキシ樹脂)
工法
前工程①成膜工程②露光・現象工程③エッチング工程④不純物拡散工程
後工程①ダイシング②マウント③ボンディング④モールド⑤マーキング