カーボンブラシ
直流モーターに使用する導電性の摩擦材。
直流モーターに欠かせない部品。カーボンブラシが回転する整流子と接触し電流を流すことで、ロータの磁界が変化し、ステータの磁界との反発によって回転を続けることが可能となる。基材のカーボンに銅など添加材を配合し樹脂バインダーで固めているが、配合により性能が大きく変わる。民生用途ではブラシは交換部品だが、自動車用途では非交換部品のため、長寿命化の研究が行われている。
直流モーターは効率や制御性がよく小型化が容易で低価格という特徴がある。自動車用途ではスターターやオルタネータ、燃料ポンプ、ラジエータの電動ファン、スロットルコントロール、パワーステアリング、ABSブレーキ、パワーウィンド、エアコンのブロア、ワイパー、ウィンドウォッシャーポンプなど、1台に約60個~約120個もの直流モーターが搭載されている。
近年の開発課題としてはアイドルストップ車の普及によるスターターモーターの耐久性向上、新興国粗悪ガソリン用燃料ポンプの腐食防止、エアコンのブロワモータやパワーステアリングモータのブラシ音の騒音低減の研究が行われている。
画像は 富士カーボン製造所製直流モーター用カーボンブラシ。
サイズ
5㎜~30㎜
構成
カーボン端子、スプリング(小型:ベリリウム板バネ)
カーボン
材質:黒鉛粉末
工法:配合(基材、結合材、添加材)→混合→加圧プレス→焼結(加熱炉)
スプリング兼電極
材質:ベリリウム板材BeCu(Bu0.5~3%)
工法:配合(基材、結合材、添加材)→混合→加圧プレス→焼結(加熱炉)