燃料電池
水に電気を通すと水素と酸素の泡が出てくるのは「水の電気分解」。燃料電池の仕組みはその逆で、「水素」と空気中の「酸素」を反応させて電気を起こす。自動車で使用されるのは、「固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)」と呼ばれる種類。高効率であり小型化が可能となる。
燃料電池セルはカーボンかステンレスのセパレーターで仕切られる。セパレーターには数多くの細い溝があり、この溝に正極に酸素を、負極に水素を供給することにより反応が起こり発電する。
燃料電池セルは、正極板と負極板はイオン交換膜である電解質膜をはさみ、発電のための化学反応を促進する。1枚のセルはMEA(Membrane Electrode Assembly)と呼はれる。
電極は触媒層とガス拡散層の2層で構成され、カーボン担架白金ナノ微粒子触媒が使用される。触媒作用をする白金ナノ微粒子は5nm程度(0.005μm)だが、電解質膜と合わせると5層構造となり数十μmの厚さになる。
触媒特性を持つ白金が大量に使用されるが、白金は希少かつ高価な金属であるため、燃料電池車の低コスト化には白金使用量の削減が課題となる。そのため、白金触媒の合金化による白金減量の研究が行われている。合金化により単純に白金量を減らすだけでなく、異種金属との融合により電子的・幾何学的影響で白金の触媒特性の向上が求められる。
画像はElringKlinger製燃料電池。
サイズ
厚さ1㎜
構成
セパレーター+ガスケット+電極複合体※MEA+ガスケット+セパレーター
※MEA=酸素正極(ガス拡散層+触媒層)+電解質膜+水素負極(ガス拡散層+触媒層)