構成:高圧水素タンク、高圧水素タンクバルブ
■高圧水素タンク
70~90MPaの超高圧で水素を貯蔵する。
FCVの燃料である水素は原子径が小さく、金属材料では透過したり、金属を劣化させたりする可能性がある。そのため、高圧水素タンクは金属ではなく、炭素繊維や樹脂などで構成される。
現状の搭載モデルでは、3層構造になっている事例が多い。内層はプラスチックライナー、中層はガラス短繊維強化プラスチック、表層は連続炭素繊維プリプレグなどを使用している。プリプレグは髪の毛状の細いカーボン繊維を束ねたもので、樹脂を含浸させ、野球の硬球ボールのように組紐加工を施し破壊強度を上げている。破片が飛び散らないよう安全なものしている。
画像は八千代工業製FCV用Type4水素タンク。
サイズ
500㎜~1000㎜
構成:
三重構造
□内層
材質:ポリアミドPA
工法:射出成形
□中間層
材質:熱可塑樹脂含浸ガラス繊維・GFRTP
工法:フィラメントワインディング法 FW(Filament winding)法
□外層:プリプレグ
髪の毛状の細いカーボン繊維を束ねたものに樹脂を含浸させたもの。
材質:熱硬化エポキシ樹脂含浸炭素繊維・CFRP
工法:セット→組紐加工→ラッピング→硬化→脱芯
■高圧水素タンクバルブ
70~90MPaの高圧で貯蔵する高圧水素タンクに取り付けられる逆止弁。充填時や発電中の、水素の出し入れや、タンク内部のガス温度の計測、緊急時に内部のガスを安全に放出する機能を備える。棒状のインタンク構造のソレノイドバルブで、タンク口金内径におさまる。
サイズ:150~200㎜
構成:
逆止弁:水素燃料充填時の逆流を防ぐ
電磁弁:ECUの信号で作動、衝突感知時は電磁弁が閉じる
手動弁:手動でメンテナンス時にガスの流れを止める
圧抜弁:手動の電磁弁故障時のガス抜き。
溶栓弁:車両火災の際に、タンク破損を防止するために車両後方ななめ下に放 出する。
温度センサー:タンク内の水素温度を検出する
材料:アルミボデイ
工法:鍛造