リチウムイオン電池
リチウムイオン電池は、電極、セパレーター、電解液から構成される。正極にコバルト酸リチウム(LiCoO2)、負極にカーボン、セパレーターはポリオレフィン不織布、電解液にリチウム塩(LiPF6)溶剤を用いたものである。
電池の特徴は,電池電圧の高さで、ニッケル水素電池の1.2Vに対して3.6 Vと飛躍的に向上した。1991年にソニー・エナジー・テックが世界で初めて量産化された。
電気自動車(EV)では 走行用に高電圧で大容量の電池が必要になる。充電可能な二次電池を使用するが、ニッケル水素電池では電圧が低く重量がかさむため軽量なリチウムイオン電池が使用される。セルの電圧は3.7V程度のため、直列モジュールとし200V~400Vの電圧にする。実用例としては28連セルx2個モジュールなどがある。
リチウムイオン電池は安全性に課題がある。これは、電解液に可燃性の溶剤が使用されることが根本問題で、製造時の微小金属片の混入、使用における外力によるセパレーター膜の損傷、電子制御であるバッテリーマネージメントシステム(BMS)の故障など、製造、使用、設計、耐久性あらゆる原因でショートし発火する可能性がある。そのため、車載用途では、より安全性の高い電池の開発が急がれている。
画像は日産リーフのリチウムイオン電池の搭載写真。
サイズ
500㎜~1500㎜
構成&材質
□セル
正極材 コバルト酸リチウム薄膜(LiCoO2)など
負極材 黒鉛薄膜(LiC6)など
セパレーター ポリオレフィン製平膜(フィルム状の多孔質材料)
電解液 有機溶剤+リチウム塩(LiPF6)など
正極集電体 アルミ箔15μmなど
負極集電体 銅箔8~10μmなど
セルケース ラミネートフィルムなど
ガスケット フッ素樹脂(PFA)
ガス排出弁 フッ素樹脂(PFA)
□モジュール
バッテリーケース ハイテン高張力鋼板
セル電圧バランス回路 電子基板
冷却システム 水冷式
工法
圧縮(電極、セパレータ)→セル封入→単品セル組立→モジュール組立