鋳鉄部品
材料を溶かして型に入れ固める工法。複雑な形状の鋼材を使用する。工法は重力鋳造法と、ロストワックス鋳造法がある。
■重力鋳造法
砂型と金型がある。砂型は砂中子が使用できるため、中空など複雑な形状に対応できる。金型は冷却速度が速く、結晶粒が微細となるため機械的性質に優れている。普通鋳造法では、材質はねずみ鋳鉄FC、ダクタイル鋳鉄FCD、鋳鋼(炭素鋼、合金鋼)が用途に応じて製造できる。
ねずみ鋳鉄FCは組織中の黒鉛の形は、片状で、摺動性と減衰性に優れる。反面、強度が弱く靭性に乏しいため、耐久強度に劣る。ダクタイル鋳鉄FCDは自動車部品等で多用される強度アップ材。組織中の黒鉛の形を、球状にして強度、靭性を改良した鋳鉄。反面、摺動性と減衰性が低下する。
サイズ
50㎜~1000㎜
型
□砂型(雌)・・・紀元前から行われている鋳造法。砂で製作した型に溶融金属を流し込み成型する鋳造法。長所は鋳造中の圧力が低く、砂中子が使用できるため、中空など複雑な形状に対応できる。
□金型(雌)・・・鋳肌面品質や精度が求められる部品で使用する。金型に溶融金属を流し込み成型する鋳造法。金型鋳造物は砂型鋳物に比べ冷却速度が速く、結晶粒が微細となるため機械的性質に優れている。金型は高価なため大量生産でないと、製品代も型代償却費が高価になる
材質
□ねずみ鋳鉄FC・・・普通鋳造法。組織中の黒鉛の形は、片状で、摺動性と減衰性に優れる。反面、強度が弱く靭性に乏しいため、耐久強度に劣る。
□ダクタイル鋳鉄FCD・・・自動車部品等で多用される強度アップされた鋳造法。組織中の黒鉛の形を、球状にして強度、靭性を改良した鋳鉄。反面、摺動性と減衰性が低下する。鋳造する直前に溶湯に球状化剤(Si-Mg-Ca- RE※希土類金属)を加えて製造する。
□鋳鋼(炭素鋼、合金鋼)・・・鋼の一種。鋳造によって製品を製造する。材料は鋼と同じ材料を用い、鋼の性質をもち、溶接ができる。工程ではランナーから切り離すためにはガス溶断する。鉄道の台車で使用される鋳物は、破壊モードが折損の鋳鉄は使用禁止で、変形しても割れない鋳鋼が使用される。
工法
□砂型
造型(上型&下型)→抜き型(上型&下型)→型合わせ→注湯→凝固冷却→型ばらし→仕上げ→熱処理→ショットブラスト→検査
□金型
剥型剤塗布→型合わせ→注湯→凝固冷却→型ばらし→仕上げ→熱処理→ショットブラスト→検査
■ロストワックス(LOST WAX)
精密鋳造は鋳造方法の一種で、ワックス(ロウ)で出来た原型をセラミックで覆って焼き固める事で鋳型を作成する鋳造法。複雑な形状を高い寸法精度、高強度で作ることができる。ロストワックス鋳造法では一般に鋳鋼(炭素鋼、合金鋼)のほかさまざまな材質(チタン、ステンレス合金、合金鋼、炭素鋼、アルミニウム合金、銅合金など)が製造される。
サイズ
10㎜~150㎜
型
中空セラミックスコーティング(雌)のツリー型
材質
さまざまな材質(チタン、ステンレス合金、合金鋼、炭素鋼、アルミニウム合金、銅合金など)
工法
ワックス成形→ワックスツリー作成→セラミックスコーティング→脱ロウ→焼成
→鋳造→型ばらし→切断→仕上→検査