ゴム押出成形部品
押出工法は連続でひも状に押し出し生産性が高い。自動車では、ホースやウェザーストリップなど同一断面の長寸法の部材に適用される。流動性の高いゴムを、スクリューによって口金(ダイス)から押し出し製造する。そのまま半固体の自由状態で水中や空気中で冷却固化させるため精度は高くない。
生産性は高いが、設備の全長が長く、大きな設備スペースが必要になる。生産性を上げる場合は、形状によっては口金の押し出し口を2~3か所に増やして対応できる。
自動車用ホースには単層式と複層式があり、圧力条件で決まる。内層は耐液性、外装は耐候性や耐液性、中間補強層は圧力と柔軟性によって選定される。エンジン周辺からシャシー部品周辺まで、さまざまな部位に採用されている。
□自動車用ホース(構成例)
ホース名称 | 流体 | 構造 | 内層 | 補強繊維 | 外層 |
ラジエータ | クーラント | 3層 | EPDM | PA66 | EPDM |
ヒーター | クーラント | 3層 | EPDM | PA66 | EPDM |
燃料 | ガソリン | 3層 | FKM | PET | FKM |
オイル | エンジンオイル | 3層 | ACM | PET | ACM |
パワステ | パワステオイル | 3層 | HNBR | PA66織布 | CR |
ブレーキ | ブレーキオイル | 5層 | EPDM | PET織布+NRゴム+PET織布 | CR |
クラッチ | ブレーキオイル | 5層 | EPDM | PET編+NRゴム+PET織布 | CR |
ターボ | エアー | 3層 | ACM | PET | ACM |
バキューム | エアー | 3層 | NBR | PET | CR |
エアコン | フロンガス | 3層 | IIR | PET | EPDM |
排ガス | エアー | 単層 | ACM | ― | ― |
ウオッシャー | 不凍洗浄液 | 単層 | Si | ― | ― |
<ゴム材質>
EPDM:エチレンプロピレンゴム/-50~150℃、SBRの耐熱性改良材、耐クーラント耐ブレーキオイル、鉱物油不適合
FKM:フッ素ゴム /-30~250℃、高耐熱(Max300℃)、耐ガソリン、高価
ACM:アクリルゴム/-30~180℃、耐熱、耐鉱物油
HNBR:水添ニトリルゴム/-35~150℃、NBRの耐熱性耐候性改良材、耐鉱物油、ブレーキオイル不適合
CR:クロロプレン/-40~120℃、耐候性
IIR:ブチルゴム/-60~150℃、低気体透過性、耐候性
Si:シリコーンゴム/-70~200℃、耐熱、耐寒(Max-100 ℃)、低引裂性
<繊維材質>
PA66:ポリアミド(ナイロン)繊維
PET:ポリエステル繊維
サイズ
100㎜~2000㎜
材質
文中
工法
ゴム練り→一次押出成形(内層)→紐組(補強層)→二次押出成形(外装被覆)→加熱炉加硫→ 冷却炉→マンドレル芯抜き→切断→洗浄