ゴム部品とは

ゴム部品とは

大きな変形と復元特性が最大の特徴。他材料の追従を許さない。ゴムは熱硬化性の材料で、生産性は低く、熱可塑性プラスチックに比べて成形時間は10~30倍、5分~15分かかる。

ゴム材質は用途に応じて選定される。非タイヤ製品では、通常温度域150℃まではエチレンプロピレンEPDMの採用が多いが、鉱物油に適さない。そのため、鉱物油の場合には水素添加ニトリルHNBRが適用されることが多くなってきている。

自動車では、タイヤ、防振ゴム、シール部材、ホースなど要素部品として多用される。

防振ゴムはその柔軟性により、車体やエンジン、 サスペンションなどの耐久性を高め、乗員の快適性を向上させている。

シール部材は運動用と固定用がある。運動用はアクチュエーター部品に多用され、トランスミッションのオイルシールなどの回転シール、ブレーキマスターシリンダーの往復シール、ブレーキブースターのダイアフラムなどに区分される。ゴム材質は対象媒体と使用環境に応じて選定される。

ゴムホースは部品間の相対変位の生じる部位に使用される。ブレーキホースなどは高圧のため補強層のある三重ホースなどが使用される

□材質別用途例

ゴム材質 エンジン シャシー 車体
ホース
NR/IR マウント タイヤ、ブッシュ
IIR エアコン タイヤ
BR タイヤ、トルクロッド
CR 外層材 ワイパー
SBR プーリー ブレーキ、タイヤ
NBR オイルシール バキューム マスタバッグ
HNBR ガスケット パワステ
EPDM ラジエータ ブレーキ ウェザーストリップ
ACM オイル、ターボ、排ガス系
シリコーン ワイパー、ウォッシャ
FKM 吸排気バルブ 燃料系

サイズ

5㎜~2000㎜

構成

ラバーメタル部品:防振ゴムマウントなど

ゴム射出成形部品:シリコーンゴム製品など

ゴム押出成形部品:ウェザーストリップなど

材質

加硫工程以前で加硫を起こすスコーチ現象を防止する為、架橋剤と加硫促進剤は他の配合剤の後に添加する。添加前はA練り、添加後はB練りと呼ばれる。

<A練り>

基材  ポリマー

補強剤 カーボンブラックなど

軟化剤 オイルなど

老化防止剤(酸化防止剤) アミン系、フェノール系化合物など

助剤

<B練り>

架橋剤   硫黄など

加硫促進剤 アンモニアなど

□ ゴム材質の特徴

ゴム材質 使用温度℃ 長所 短所
天然ゴム NR ジエン系 -70~90 強度防振性能良好 耐候性が劣る
合成ゴム ジエン系(硫黄加硫)
IR  合成天然ゴム -70~90 強度防振性能良好 耐候性が劣る
SBRスチレンゴム -40~120 耐ブレーキ油、耐クーラント 鉱物油不適
NBR ニトリルゴム -40~120 鉱物油用 ブレーキ油不適、耐候性が劣る
HNBR 水素添加ニトリルゴム -35~150 NBRの耐熱性耐候性改良材 ブレーキ油不適
BR ブタジエンゴム -70~120 高弾性
IIR ブチルゴム -60~150 気体遮断性、耐候性 鉱物油不適
合成ゴム 非ジエン系(架橋剤加硫)
EPDMエチレンプロピレンゴム -50~150 SBRの耐熱性改良材、耐ブレーキ油、耐クーラント 鉱物油不適
ACM  アクリルゴム -40~180 鉱物油用、高温用 ブレーキ油不適
CR クロロプレンゴム -40~120 耐候性 金属難接着性
Si   シリコーンゴム -70~200 高温用、低温用 低引裂性
FKM フッ素ゴム -30~250 高温用 高価

ジエン系:ポリマー主鎖に二重結合をもち、化学的には反応性に富むため、硫黄で容易に加硫できる特徴がある。化学的な安定性を欠くために、耐候性・耐オゾン性・耐老化性に劣る。

非ジエン系:ポリマー主鎖に二重結合をもたない。化学的には反応性が弱いため、共通の特徴は酸化に対する抵抗性が高い。耐候性・耐老化性・耐オゾン性が良い。

ポリマー価格帯

ゴム部品メーカー以外では、ポリマーやゴム材料単体での購入はないが、部品材料費の目安として知識が必要。

NR 天然ゴム       200円/㎏前後(相場制)

SBR スチレンゴム     250円/㎏

NBR ニトリルゴム     350円/㎏

ACM  アクリル       900円/㎏

Si   シリコーンゴム   1,500円/㎏(添加剤配合済)

FKM フッ素        4,000円/㎏

シリコーンゴムの場合は添加剤配合済での販売が多い。

工法

<ゴム練り>

配合表→ミキサー、ロール(A練り)→ロール(B練り)→部出し→熟成

A練り:バンバリーミキサー、加圧ニーダーミキサー、オープンロール

B練り:オープンロール:架橋剤と加硫促進剤添加の後添加

※バンバリーミキサー:

バッチ式ロット生産:ゴムのベースポリマーと粉末やオイルなどの材料を混練する装置。容器の中で異なる方向に回転する左右一対の混錬ローターにより原料ゴムに強いせん断作用を加えて溶融する。タイヤなど生産性を重視した荒い混錬用途で使用する。

※加圧ニーダーミキサー

バッチ式ロット生産:ゴムのベースポリマーと粉末やオイルなどの材料を混練する装置。容器の中で2本の羽根(ブレード)を回転させることで、原料ゴムに強いせん断作用を加えて溶融する。コンタミ夾雑物を嫌うシール材などの精密用途で使用する。

※オープンロール:

一対の2本ロールをモーターで駆動する混練機。ロール間に発生する強力な剪断作用により高分散を行う。多少の固まりも強力な圧縮剪断作用で凝集物を砕く。また、発熱により材料に配合されている樹脂が溶融し、材料は一方のロールに巻き付き、材料はロールの搬送作用で排出側に帯状に排出される。

<成形>

型込め→※加硫・成形→仕上げ→※二次加硫

※加硫・成形:圧縮成形、射出成形、押出し成形

※二次加硫:一次加硫済みのゴム製品を恒温槽BOXに投入して、高温下で数時間熱処理する。一次加硫だけでは加硫が不足する材料は二次加硫によって未反応硫黄の除去を行う場合がある。とくに、シリコーンゴムとフッ素ゴムは有害成分の除去、物性の安定で2次加硫を行うことが多いが、工場からは生産性不良の苦情が出るためできるだけ二次加硫を行わない設計が求められている。

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